君に贈る歌（緑） (ページ10)

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「な？な？ええやろ！」

キラキラした目をして、私を見つめる

このときの私は、きっとどうかしてたんだ思う

だって、普通初対面の男の人を家で預ろうなんて思わないでしょ

でも、結婚したいと思ってた人の浮気現場に遭遇して、その相手が私のことを気に入らなかった人で、こんな屈辱を味わったの久々で、

悔しかった

だから、別の刺激が欲しくなった

イケメンだし、家事はやってくれるなんて、悪くない

しばらく仕事に没頭して、この男の人が出て行ったら、また恋をすればいい……

「うん、いいよ。預かってあげる」

そう言ったら、パアアって表情が明るくなって、

「ほんま！！！ありがとう！！！」

って、満面の笑みで言うから、つられて私も笑顔になった

「あなた、名前なんて言うの？」

「俺！？
俺は、大倉忠義。忠義って呼んでや～～！」

「じゃあ、大倉ね」

「なんで！？大倉って！！
ひどない！？」

だって、明らかに私より歳下だし、初対面で名前呼びとか無理だし

「嫌やあ！Aちゃんに、忠義って呼ばれたい！！」

デカい体して、ジタバタと騒ぐ大倉

「てか、なんで私の名前知ってんの？」

ずっと気になってたんだけど

私、1回もあなたに名前を言った覚えないよ？

大倉は、ふふって笑って、

「別にええやん！Aちゃんは、Aちゃんやもん！！」

答えになってないんですけど……。

私もう、ちゃん付けされるような歳でもないし……

まあでも、ルンルンで楽しそうな大倉見てたら、

また今度聞けばいっかって、思った