#202【着信】 ページ11
･
軽快な着信音が響き、出るボタンを押す。
「もっしもーし」
［君、情報屋に向いてるね〜］
「まあね、それでどうだった？反応は」
電話の相手は
［見事に食いついてくれたよ］
「あれで食いついてくれなかったら本当に正義の塊の捜査官か疑うね」
［正直半信半疑だったけど、これで私は君を信じる事にしたよ］
「あの堅物の信用もぎ取るの苦労しそうだな〜」
思い浮かぶのは赤く厳ついマスクを着けている中国系“喰種”の男。冗談が通じないので何度死にかけた事か。
［ところで兎ちゃんの怪我は治った？］
「万全じゃないけど治ったよ、明日そっち向かわせる」
数日前の騒動でコウは腹部に派手な傷があるのに関わらず、絵を書き続けた。なんでも俺の赫子で制作意欲が湧いたらしい。
電話を切り、ズボンのポケットに仕舞う。
寝転がるとコリが腹の上で丸まる。ゆっくりと撫でていると次第に腹の重みは増し、ピスピスと鼻が鳴る音がする。
「嵐の前の静けさ、と言ったところかな」
さあ、カネキくん。この愛しくて醜い狂った世界で俺を楽しませてくれよ。
周りの観客も巻き込もうぜ。取り返しのつかないほど引っ掻き回して、後戻り出来ないぐらいの欲を吐き出させよう。
もう少しこの静けさに身を任せようか。眠気により瞼が落ち、眠りの世界へと飛び込む。
ポカポカと暖かい日差しを受け、俺とコリは昼寝をした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 45人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
水無月(プロフ) - 乾さん» 今更になってしまいますがありがとうございます！一時期題名が落ち着かない時がありましたが最後まで読んでいただきありがとうございました！！ (2018年8月10日 23時) (
レス) id: 07c7ef19ca (このIDを非表示/違反報告)
乾 - 完結おめでとうございます！！この作品は、名前が何度か変わっていましたがそんな連載当時から好きでした。素敵な作品をありがとうございました (2018年7月2日 18時) (レス) id: de2fb18392 (このIDを非表示/違反報告)
水無月(プロフ) - 瑠伊さん» ありがとうございます！素敵と言ってもらえてとても嬉しいです！！ (2018年4月24日 19時) (レス) id: 07c7ef19ca (このIDを非表示/違反報告)
水無月(プロフ) - 慶さん» ありがとうございます！面白いと感じてもらえてとても嬉しいです！！ (2018年4月24日 19時) (レス) id: 07c7ef19ca (このIDを非表示/違反報告)
水無月(プロフ) - 宮野 ミヤさん» ありがとうございます！気に入ってもらえとても嬉しいです！！ (2018年4月24日 19時) (レス) id: 07c7ef19ca (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：水無月 | 作成日時：2017年12月27日 18時
