#231【庇う】 ページ41
NOside
2区の“喰種”や殉職した捜査官を集めていると、辺りがザワつく。
有馬は別の区へと向かってしまい、特等が残っているのは
敵意が無いのか、周りに居る〔CCG〕は困惑している。
「なぜ戻ってきた、“小狐”」
「死ぬ前に訊きてー事があんだ」
「なんだ」
「死ぬ前」と言われると“野狐”の部下だったコサメを思い出す。どこかに乗り込むのかと身構えるが、生憎クインケは壊され、武器になる物は近くには無い。
「アンタが持ってたクインケからラクさんの匂いがした
どうしてラクさんの匂いがした?
他にラクさんの赫包を使ったクインケはあんのか?」
わざわざそれを訊く為に戻ってきたのかと柳下や周りの〔CCG〕の捜査官は唖然とした。
「・・・あのクインケは有馬の小僧が“野狐”の甲赫を切り落とした時に作った物だ
他にクインケは無い、奴の赫包を探したが霧のように消えていた」
「他にあるか」と柳下は数十メートル離れたコブを見ていた。
「・・・“毒蜘蛛”のクインケはどこにある」
「そのクインケなら近々新人のクインケになる」
柳下が言い切る前にコブは膝をつき、頭を地面につけた。所詮、土下座と呼ばれる姿勢になる。
「恥を承知で頼む!
そのクインケをオレにくれ!!」
「顔を上げて、理由を言え」
強く頭を地面につけたせいでボロボロの狐の面は崩れ、コブの顔を隠す物は無くなった。
頭は上げず、顔だけを柳下に向けるとコブは赫子が制御出来ないので赫眼を向ける。
「“毒蜘蛛”はラクさんの大事なヤツだ
死んじまってもオレたち“盾”でも越えられねェ存在だ」
遠巻きに見ている〔CCG〕はコブの迫力に脚を震わせる。
「・・・・・・・・・
・・・お前たちの情報次第だ」
「柳下特等!」
柳下の提案に周りの〔CCG〕は
「オレたちは三人でラクさんの“盾”になってたが、コサメはテメーが殺したからもういねー
もう一人の名前はコウ
性別は分かんねーが背が小さかったからオレはチビ兎って呼ぶ、アイツは訳わかんねェヤツだ
普段何をしているのか、何を考えているのかわかんねー」
嘘だ。本当ならコウの性別は勿論、普段絵描きをしている事も知っている。得体の知れない“喰種”にしているのは少しでもコウが長く生き残れる為のコブなりの庇い方だ。
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水無月(プロフ) - 乾さん» 今更になってしまいますがありがとうございます!一時期題名が落ち着かない時がありましたが最後まで読んでいただきありがとうございました!! (2018年8月10日 23時) (レス) id: 07c7ef19ca (このIDを非表示/違反報告)
乾 - 完結おめでとうございます!!この作品は、名前が何度か変わっていましたがそんな連載当時から好きでした。素敵な作品をありがとうございました (2018年7月2日 18時) (レス) id: de2fb18392 (このIDを非表示/違反報告)
水無月(プロフ) - 瑠伊さん» ありがとうございます!素敵と言ってもらえてとても嬉しいです!! (2018年4月24日 19時) (レス) id: 07c7ef19ca (このIDを非表示/違反報告)
水無月(プロフ) - 慶さん» ありがとうございます!面白いと感じてもらえてとても嬉しいです!! (2018年4月24日 19時) (レス) id: 07c7ef19ca (このIDを非表示/違反報告)
水無月(プロフ) - 宮野 ミヤさん» ありがとうございます!気に入ってもらえとても嬉しいです!! (2018年4月24日 19時) (レス) id: 07c7ef19ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:水無月 | 作成日時:2017年12月27日 18時