#221【発見】 ページ31
NOside
とある研究所で嘉納はある発見をした。しかし、その研究対象の人物は亡くなり更に深くは追求出来ない。
「これは素晴らしい」
「何か発見したの?」
ただの独り言かと思いきやエトとタタラが背後に立っていた。それに驚く事なく嘉納は答える。
「ラクくんの赫子を調べていたらある発見をした」
身体をずらし見せた先には試験管立てに試験管が数本あり、そこからは芽が生えるように伸びていた。
時折「パキッ」と氷に亀裂が入ったような音がするのは赫子が今も尚成長している音だと嘉納は言う。
「これの何が素晴らしいの?」
未だに理解が出来ないエトは首を傾げ、タタラを見るがタタラも分からないようで視線で嘉納の話を促す。
「これはラクくんの尾赫の一部だ」
一番右にある試験管を見せられると豆粒ぐらいの欠片が僅かに脈打つように一定間隔で動いている。
「そしてこれが“不殺の梟”の赫包の一部だ」
近くに置いてあったビーカーを持ち上げエトとタタラに見えるように見せながら、影乃の赫子が入っている試験管を“不殺の梟”である芳村の赫包が入っているビーカーに入れると変化を見せた。
急速に何倍も大きい芳村の赫包を取り込み始める。
「おっと・・・」
急な振動に耐えられなかったのか嘉納はビーカーを落としたが、割れたガラスごと芳村の赫包を取り込む。
「説明しろ」
タタラはいつ暴走するか分からない赫子の塊に警戒をしながら嘉納に説明を求める。
「これはラクくんの赫子にしか発見されなかったのだが・・・
彼の赫子は元々
「それは口でも赫子でも同じなのか」
「そうだね、彼の体内に入ってしまえばどっちみち赫包に届く」
今も芳村の赫包を取り込んだ影乃の赫子はうねうねと動いているがそれからの変化は見られず終わりかと思いきや嘉納は近くにある布を手に取り、布を退かすとツルリとした板のような赫子が顔を出す。
「それは?」
「これはラクくんの甲赫だ」
何を思ったのか嘉納は甲赫を未だに動いている赫子に落とすとずぶりと沈み込み、一瞬止まるがもの凄い勢いで甲赫を巻き込む。
中でバキりバキりと砕ける音を聞きながらエトは見つめる。
(これは生かした方が良かったかも)
エトの脳裏には嘲笑うかのような笑みを浮かべる影乃が居た。
45人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
水無月(プロフ) - 乾さん» 今更になってしまいますがありがとうございます!一時期題名が落ち着かない時がありましたが最後まで読んでいただきありがとうございました!! (2018年8月10日 23時) (レス) id: 07c7ef19ca (このIDを非表示/違反報告)
乾 - 完結おめでとうございます!!この作品は、名前が何度か変わっていましたがそんな連載当時から好きでした。素敵な作品をありがとうございました (2018年7月2日 18時) (レス) id: de2fb18392 (このIDを非表示/違反報告)
水無月(プロフ) - 瑠伊さん» ありがとうございます!素敵と言ってもらえてとても嬉しいです!! (2018年4月24日 19時) (レス) id: 07c7ef19ca (このIDを非表示/違反報告)
水無月(プロフ) - 慶さん» ありがとうございます!面白いと感じてもらえてとても嬉しいです!! (2018年4月24日 19時) (レス) id: 07c7ef19ca (このIDを非表示/違反報告)
水無月(プロフ) - 宮野 ミヤさん» ありがとうございます!気に入ってもらえとても嬉しいです!! (2018年4月24日 19時) (レス) id: 07c7ef19ca (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:水無月 | 作成日時:2017年12月27日 18時