#192【過去】 ページ1
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これは自分の過去の話だ。嘘偽りの無い本人が観たもの感じたものを語るんだ、攻撃はよしてくれよ?
アオギリの樹に“狸”居ただろ?アイツは正真正銘俺の弟だ。可愛い愚弟だが、出来損ないだった。
なんだい?俺の赫子が弟に似てるって?そりゃそうさわざと真似してるんだからね。
安心しろよ真似して出しただけなんだ。すぐに仕舞うよ。
で?他に聞きたい事は?
ニノマエ?あぁ、
アイツとは同じ出身?元同居人?なんて言えばいいんだろ。
白い庭の中心部分に白い箱があってだな。俺と弟とキドは仲良く暮らしてたのさ。
あの女は父親に恋してたのさ、恋は盲目。まったく巻き込まれたこっちの身にもなってみろよ。丸一日真っ白な部屋で過ごしてみろよ、それが何年も続くんだぜ?殺したくなるだろ?
一度逃げてまた捕まっちまった。今度は白い庭出身の大人たちにだぜ?毎日監視されて満足に昼寝もできねー。
そんでそっから出してくれたのが俺の初恋相手。
・・・それをお前が殺した。あの時は目が溶けるほど泣いたね。それがお前に嫌がらせをする理由さ。
あんたを絶望の淵に叩き込むまで俺は死なねェ。
元々お前がいけないんだ。俺の初恋相手を奪ったからな。もし、別の奴が殺したら殺した奴に全ての嫌がらせをしてから殺したね。
正直どうやってお前の娘に近付こうか考える前に奇跡的に出会えてよかったよ。
そっからはあれよこれよと良い夢見させて殺したさ。恋愛ごっこは飽きてたから辛かったね。
おいおい、怒るなよ。もう終わった話をしてるんだからどうにもなんねーよ。
「それが貴様の目的か!“野狐”!!」
「あぁそうさ!テメェを地獄の底まで落とすのが俺の本当の目的さ!!」
尾赫を羽子板の様な形のクインケで弾かれるが第二、第三と攻撃を仕掛ける。一本懐に入ったが浅いな。甲赫で奴の剣型のクインケを防ぎ、何歩か後ろに下がる。
「まだテメェは絶望にゃいねェ
妻と娘が死んでんのに立ち上がるって事はまだ希望があんだろ」
何も無いのに立ち上がるなんてどんだけ脳天気な野郎だと疑うしかねーからな。まだあんだろテメェが知らねー希望が。
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水無月(プロフ) - 乾さん» 今更になってしまいますがありがとうございます!一時期題名が落ち着かない時がありましたが最後まで読んでいただきありがとうございました!! (2018年8月10日 23時) (レス) id: 07c7ef19ca (このIDを非表示/違反報告)
乾 - 完結おめでとうございます!!この作品は、名前が何度か変わっていましたがそんな連載当時から好きでした。素敵な作品をありがとうございました (2018年7月2日 18時) (レス) id: de2fb18392 (このIDを非表示/違反報告)
水無月(プロフ) - 瑠伊さん» ありがとうございます!素敵と言ってもらえてとても嬉しいです!! (2018年4月24日 19時) (レス) id: 07c7ef19ca (このIDを非表示/違反報告)
水無月(プロフ) - 慶さん» ありがとうございます!面白いと感じてもらえてとても嬉しいです!! (2018年4月24日 19時) (レス) id: 07c7ef19ca (このIDを非表示/違反報告)
水無月(プロフ) - 宮野 ミヤさん» ありがとうございます!気に入ってもらえとても嬉しいです!! (2018年4月24日 19時) (レス) id: 07c7ef19ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:水無月 | 作成日時:2017年12月27日 18時