【東京喰種】モノクロ狐 part３【男主】

#138【目的】 ページ40

カネキside



ゴクリといつの間にか喉に詰まっていた唾を飲み込む。




「そ、それでどうなったんですか？」






正直二人の実力なんて見たことが無いから、どれほどのものなのか予想も出来ない。






イトリさんは深い溜息をつくとグラスの淵(ふち)を人差し指でなぞる。




「結果は･･･未だつかず」



「えっ･･･」




グラスに向いていた視線は僕に向ける。




何を思っているのか分からない。





「ウーさんが赫子を出さないことをラクは感じたのか

逃げるように引いたの





それで終わりかとアタシたちは思ってた」




“思ってた”？



「あんなに強情だとは思わなかったよ」







イトリさんは遠くを見るように上を向く。



大事な思い出なのか、愛しいモノを見るような。




優しい目をしている。





「アイツは────ラクはウーさんを気に入ったの

ウーさんもラクを気に入ったんだろうね




顔を合わす度(たんび)に殴り合いだったよ」






顔を合わす度に？危険じゃないか。




「そのうちウーさんがリーダーを辞めて


ラクは興味が無くなったんだろうね




ぱったりと姿を現さなくなったよ」





影乃さんの目的が分からずモヤモヤする。




「影乃さんは強い者を求めて･･･ですか？」



「それならずっとウーさんと喧嘩してただろうね」





店長に訊いたことがある。


影乃さんは面白いことを探すのが好きだと。





彼の面白いの基準が分からない。




あわよくば彼を仲間にと思っていたのに一筋縄ではいかないぞ･･･。

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