過去編 ページ20
普通だったらここでもう既に殺して終いだ。
なのに自分はそうしない。
寧ろ相手のペースに乗せられて、少し楽しいと思った自分も居た。
黙ったまま停止してるイルミを凝視するA
「イルミさ、ゾルディック家の人間でしょ」
その言葉で現実に戻るイルミ。
警戒心をあらわにしてAの首に手をかける。
「なんで知ってんの。返答次第じゃ殺す」
「ちょっとちょっとすぐ殺そうとするの良くないよ〜！殺意高めすぎない？好戦的過ぎるでしょ嫌いじゃないけど」
「ふざけてないでちゃんと答えて。なんで知ってんの」
ぐぐぐと力の入る手、さすがゾルディック。めっちゃ苦しい。
「裏社会じゃ有名だっつの、それに私情報通だしね、知ってて当然。死蝶のAって聞いたことない？私の通り名なんだけど」
死蝶のA
蝶のようにひらりと表れては蝶のように舞いながら命を摘み取っていく様が、まるで死を運んできた蝶のようだと、付けられた名だ。
なかなか気に入ってるし、悪くない
「へぇ、お前が死蝶のA…」
「うん！そう、やっと名前呼んでくれたね」
自分の下で組み敷かれて、しかも自分の首に手をかけられて一歩間違えたら死ぬ状況だというのに、たかが名前1つで笑顔になるA。
その笑顔に、心臓が1つ、脈を強くうった。
「…変なやつ、」
Aの上から退く。ひどいなー！と言いながらも笑うAを見てふ、と笑みを零した。
この気持ちはなんだろう。Aを見ただけで幸せになる
暗殺一家の長男として、1番厳しい訓練を受けて来た。家族からの期待も大きく、背負うには少しキツかった。12歳の頃弟のキルアが産まれた時、周りの目は一気にキルに集中した。
後継者はキルなんだ、とその時1に悟った。
暗殺者として、感情を失くしたから、負の感情はなかった。
けど、胸にぽっかり穴が空いた様に感じて
長男なのに、後継者は俺じゃない。
思考が頭の中を渦巻いて、何か少し、疎外感を感じた
それからは無機質なだった
依頼をこなしては寝て。
こなしては寝て。
そんな孤独な暗殺者が、初めて触れた暖かい気持ち
胸が締め付けられる。
自分の前にいるAを見て、触れたいと思った。
「あっそうだイルミ連絡先交換しない？友達になろうよ」
「いいよ」
素直にポロッ、と口に出した。
その声はとても優しく暗殺者に見えなかった
その夜は、イルミが、大切を、そして恋を見つけた日だった。
イルミの世界に、色が溢れた
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す ズ き(プロフ) - つららちゃんさん» わああコメントありがとうございます！；；とても励みになります！；； (2020年4月6日 14時) (
レス) id: 36b5b17df9 (このIDを非表示/違反報告)
つららちゃん(プロフ) - イルミ(T . T)すごく面白いです！こんな素敵な作品をありがとうございます(T . T) (2020年4月6日 5時) (レス) id: 74f4862074 (このIDを非表示/違反報告)
ミウ(プロフ) - 更新待ってました〜！ゴン可愛いです(*ﾟ▽ﾟ*) (2018年12月8日 13時) (レス) id: 88cce883b3 (このIDを非表示/違反報告)
す ズ き(プロフ) - ＊エアメル＊さん» エアメルさん〜；!!応援は嬉し過ぎますありがとうございます； (2018年8月26日 21時) (レス) id: 36b5b17df9 (このIDを非表示/違反報告)
＊エアメル＊(プロフ) - ま、まままさか返信してもらえるなんて...！！ありがとうございます！応援してます！ (2018年8月25日 11時) (レス) id: c3939000f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：す ズ き | 作成日時：2018年4月9日 16時
