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「起きろ、壊理」
そんな廻の声で目が覚める。怯えきった表情で私の腕を掴む壊理を抱き寄せる。
「一緒に行けば怖くないかな？」
「うん、お姉ちゃんと一緒 … 」
「いい？廻」
「来い」
壊理のことを抱っこして廻とクロノの後ろをペタペタと歩く。
思ってたより懐いてくれてるんだな、と思いながら壊理に視線を向ければ、やはり怖いのか私の服をぎゅっと力強く握っていた。
「壊理、昨日の約束思い出して」
「 … うん、頑張るよ」
「壊理は偉いね、私も頑張るからね」
にこりと笑いかければ壊理も下手くそながらも少し笑ってくれた。
彼女は笑えなかったのだろう。
大人ばかりに囲まれて、同世代とは遠ざけられ、心をぶつける相手もおらず、笑えるような娯楽もなにもない。まるで昔の私を見ているようだった。
そんな私は家から逃げ出した。ならば彼女も同じ道を辿るのだろうか。
でもそれを廻が許すとは思えない。
「私が手握っててあげるから、一緒に頑張ろうね壊理」
「起きるまで一緒 … 」
「当たり前でしょ、一緒にいるよ」
数日前自分が座っていた椅子に座らされ手足を拘束される壊理の片手を両手で包み込む。
「いやああああああっ … ！」
6歳の少女から出されるとは思えないぐらいの悲痛な叫びに耳を傾けるものは誰もいなくて、死穢八斎會では黙認されていること。
私もこの時が早く過ぎることを願うしか道は残されていない。
私と壊理が同じ個性なら壊理を解放してあげれたのに、とも思うけどそんな無駄な考え張り巡らしても意味がない。
「私もこんなだった？クロノ」
「Aはもうちょっと静かでしたね」
「そう … 」
壊理の涙を手で拭う。6歳の少女には重過ぎる負荷が体を蝕む。
意識を失い、体力が限界だと思われれば分解され修復される。
激しい痛みを伴うためそれによってまた意識が戻り地獄が始まる。
彼女は私がくるまでの間どのぐらいこの拷問に近いようなことを1人で背負ってきたのだろうか。
私がもっと早く廻と出会っていればこの子は少しでも救われたのだろうか。
「がんばろうね、壊理」
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白亜 - これ治崎廻の両手死柄木弔が壊したって知ったらどうなるんだろ。妄想が止まらない‼️ (2023年4月16日 10時) (
レス) @page46 id: 19cc797338 (このIDを非表示/違反報告)
マリイ - 治崎廻大好き (2022年3月21日 9時) (携帯から) (レス) id: 82a6cba0ff (このIDを非表示/違反報告)
由瑞 - 凄く面白かったです。更新頑張ってください! (2020年4月25日 21時) (レス) id: 8d4739ba12 (このIDを非表示/違反報告)
わか(プロフ) - 死穢八斎會・ヴィラン最高さん» お褒めの言葉嬉しいです…ありがとうございますがんばります(T-T) (2020年4月25日 18時) (レス) id: c590ef5e52 (このIDを非表示/違反報告)
死穢八斎會・ヴィラン最高(プロフ) - 好きです。ほんとに面白くて毎日楽しみにしてます！ (2020年4月25日 14時) (レス) id: 88daa40424 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わか
| 作成日時：2020年4月21日 21時
