0044 ページ44
.
「帰ろう、Aさん」
「無事で何よりです」
「Aさんこそ、ご無事で何より」
泣きながら笑う貴方は相変わらず天使かと思うほどに美しい。
生きていることが不思議なくらいなんだ。あんだけの人数に囲まれて、銃声響かせて。
Aさんは怯むことなく俺を助けるためにあの人数の中啖呵きって戦ってくれたんだ。
この人は俺なんかの何倍も強くて、何倍もかっこいい。だからその分弱い。
背負うものが多すぎると人間弱くなってしまう。俺が強くならなければいけないのに。
その想いだけで胸がはちきれそうになる。
人のために強くなりたいと思ったことは人生で初めてだった。
今までヒーローになるためだけに強くなりたいと願ってきたから。
「ごめん、俺何もしてやれなかった」
「焦凍くんが生きてるだけで私は嬉しいよ」
なんて本当に嬉しそうに笑うもんだから、生きていて良かったと思えた。
「若頭、遅くなりましてすいません」
「別にそんな固いのいいって。あ、これが轟くん？はじめまして」
外で他の人とは違う雰囲気を醸し出し、綺麗なスーツに身を包んだ長身の端正な顔立ちの男の人に出迎えられた。
「俺、剣咲隼斗(ハヤト)。Aの兄ね」
「早く帰りましょ、焦凍くん」
半ば強引に早く立ち去りたいとでもいうかのように車に押し込まれてドアが閉まった瞬間車は発車した。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 225人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
わか(プロフ) - みんとさん» コメントありがとうございます！ご期待に添えるように頑張ります！ (2020年3月30日 6時) (
レス) id: c590ef5e52 (このIDを非表示/違反報告)
みんと - 今回は轟くんなんですね！展開が楽しみです！更新頑張って下さい！！ (2020年3月29日 21時) (レス) id: ecd32e4b78 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：わか
| 作成日時：2020年3月29日 14時
