これをきっと恋と呼ぶ【轟焦凍】 (ページ23)

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023. ページ23

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彼女から連絡がなく、彼女との約束だった昼休みのご飯は今日は消されてしまった。

代わりに1Aの人たちと食べたが味が少し薄く感じてしまったのは気のせいだろうか。味気がないというのが正しいのかも知れないが、それはAのことで頭を悩ませていたからだった。

「焦凍、お話があるの」

構内のスピーカーからチャイム音が鳴り響いたと同時に騒がしくなる教室と、開く扉。
そこには思い悩むぐらいに考えていた彼女の姿があった。先日見た髪型とは違う、以前通りの長い髪は美しく艶やかだった。

ザワザワと騒がしくなる教室に彼女を置いておくのも気が引けて、2人で屋上までの道を歩いた。無言のまま、彼女は口を開かず屋上の扉を開けてフェンスに背を向けて座り込んだ。
まるで気持ちを表すかのように今日の空は少し曇っていた。

「 … まさか、貴方に見られるとは思わなかった」

「やっぱりAだったのか」

「ええ … そうよ」

焦凍の方を一切見ようともせずに、何処か一点だけを見つめながら小さな口を少しづつ動かしながら彼女は言葉を紡いだ。

「私の家はね、変なの。」

彼女が口から語る昔話は壮絶で、とても悲しい物語だった。

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