これをきっと恋と呼ぶ【轟焦凍】 (ページ21)

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021. ページ21

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「轟くんはスニーカー買うの？」

「ああ、緑谷は？」

「僕は新しいTシャツとタオルかな」

休日、たまたま予定があった俺と緑谷は目的のものを買うために大きなショッピングモールに来ていた。
大きなショッピングモールは逸れてしまうんじゃないかと思うぐらいに人がごった返していて、逸れないように手を繋ごうかと一瞬考えてしまうほどだった。

「綺麗な噴水」

緑谷がキラキラと目を輝かせて噴水を見たのかと思ったがそれは違ったらしい。
水に反射してキラキラと輝いた飛沫を見つめていたから光ったのだと理解するには数秒かかってしまった。
ちらりちらりと、歩く人々は噴水になんて目も暮れず、ある人を見つめていた。

そこにいた人々の視線を掻っさらう人物がいたことを噴水を眺めていて初めて気がついた。

「A … ？」

疑問形になってしまったのは違和感を感じたからだ。後ろ姿はそっくりなのに、彼女はあんなに髪が短くない。
あんな、ボーイッシュな背格好ではないのだ。身長も背中も似ているはずなのに、その人物の髪の毛は男の髪の毛のように切り添えられていて、服も男物を纏っていた。

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