これをきっと恋と呼ぶ【轟焦凍】 (ページ3)

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美しいなんて言葉じゃ足りない。そんな小さな表現じゃ表現しきれないほどの美貌。

「今回は対戦というよりアドバイスしてもらえ。とりあえず1人1人散らばって個性の練習をしているところに2人をいかせる」

解散、そんな言葉と共に1Aの生徒たちはそれぞれに散らばった。焦凍も後ろ髪を引かれる思いだが散らばったのだ。

頭を切り替えなければいけないと思いながらも考えてしまうのは彼女のこと。
彼女について知りたいと思った。人についての興味が出るのは初めてのことだった。
彼女の個性についても、家族も、好きなものも何も知らない。
知っているのはクラスと名前だけ色々なことを知りたいと思ってしまった。

「君が轟焦凍くん？」

鈴を転がしたような綺麗な音が自分の名を呼ぶ。
ふわりと笑うこともなく、大きな瞳を開いて自分だけを見つめる彼女と目があったのは初めてのことだった。

今まで誰に見つめられてもこんな気持ちにならなかったのに、変な気持ちを覚えていた。
胸の底から何かがふつふつと湧き上がるような、熱い何かがこみ上げるのがわかった。

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