169 : わからない ページ29
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「明日のお昼は一緒に食えるのか？」
「うん、大丈夫だよ」
勝己くんに焦凍が寂しそうにしていたと聞いて、焦凍にそんな顔させているのは自分だと言う自己嫌悪に陥ってしまい、いつも通り過ごそうと心に決めた。
数日ぶりにちゃんと見る焦凍の顔はやはりカッコ良くて、好きだと思い知る。
私だけの兄だったはずなのに、いつから私だけじゃなくなってしまったのだろう。
「そうか」
嬉しそうに微笑む焦凍にまた胸がきつく締め付けられる。
諦めなければいけないとこの十数年難度も思ってきたけどそろそろ本当に諦めないと取り返しが効かなくなりそうになる。思いに歯止めが効かない。
「爆豪と今日ご飯食べてたのか？」
「うん、そうだよ」
「クラスのやつと食べてたんじゃなかったのか」
「今日は偶々だよ、勝己くんがクラスまで呼びにきたから」
「勝己くん呼びか … 」
悲しそうに、儚くお揃いのオッドアイに長い睫毛が影を落とす。
眉毛を下げてそんな風に、悲しそうに笑う焦凍を私は知らない。
勝己くんと私が呼んでいることに対してなのだろうか。
だとすれば、何故それがそんなに引っかかる？
まさか、と少しの望みが顔を覗かせる。
そんな未来あるはずないのに。
頭に浮かぶ一編の望みを掻き消すかのように頭をぶんぶんと振る。
「じゃあまた明日な」
「あ、うん」
いつのまにか私たちは私の寮の前に立っていて、遠ざかっていく焦凍の背中を眺めてしばらく動けなかった。
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わか(プロフ) - ぐるみさん» この作品コメントあまり来ないのそう思っていただけて凄く嬉しいです！励みになります、コメントありがとうございます！！ (2020年7月13日 1時) (
レス) id: d2f8eeea96 (このIDを非表示/違反報告)
ぐるみ(プロフ) - コメントしようかずっとまよっていたのですが、されている方がいたので私も失礼しますm(__)m連載初期からずっと楽しみに読んでいます..!轟君を始めキャラクター達の雰囲気(?)や文の書き方まで全て大好きです！これからも応援しています(^-^) (2020年7月13日 0時) (レス) id: c322996d24 (このIDを非表示/違反報告)
わか(プロフ) - くまさん» 暖かいコメントとても嬉しいです！毎日更新できるよう頑張ります(T-T)！ (2020年7月5日 22時) (レス) id: d2f8eeea96 (このIDを非表示/違反報告)
くま - 初めまして。この作品はとても面白くて一から一気に見てしまいました！これからも更新頑張ってください！ (2020年7月4日 22時) (レス) id: c1f2e4e83a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わか
| 作成日時：2020年6月22日 20時
