盲愛アドレセンス ⅲ (ページ36)

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元気よく頼んだ私を横目に勝己くんは激辛麻婆丼を受け取って私の隣から消えていた。
なんか本当に嵐みたいな人だなと思いながら天津飯とスープの乗ったトレイを焦凍のそばの前に置いた。

「今日もツインテールなのか」

「うん、これ意外と邪魔にならなくて好き」

高校生にもなってツインテールなんて少し痛いと思っていたが、焦凍が似合うと言ってくれたからそれで良いと思ってしまう私は単純なのだろう。

それにくるくると巻かれた髪の毛とバランスの良いツインテールも案外気に入っている。

目の前で蕎麦をすするのは相変わらずで、1年間ほぼ毎日のように蕎麦食べてるのかと思うと少し栄養バランスが心配になる。

「だからスカート短い」

「うるさいな、むっつりスケベ」

「むっ … なんだそれは」

「調べてみたら？むっつりなお兄ちゃん」

頭を悩ませる焦凍を他所に美味しい天津飯を口に運ぶ。今日はこのあとヒーロー基礎学だから早めに教室に一度戻らなければいけない。

「じゃあ、ヒーロー基礎学だから行ってくるね」

スカートを翻し、ツインテールを揺らしながら教室までパタパタと走り去ろうとすれば視界の隅に勝己くんと仲良しの3人がご飯を食べているのが目にはいり、
凝視すれば勝己くんと目があったので手をひらひらとふればちっと舌打ちをされて目を逸らされた。

あれは彼女できないわ。

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