盲愛アドレセンス ⅲ (ページ32)

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123 : 誰が自分を守るのかページ32

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そんな姿に酷く腹が立ったのも事実。
だけど、その気持ちにはまだ自分自身も気付いていなかった。

「焦凍はずっとお兄ちゃんで、私の前にいて … その姿にいろんな面で必死にしがみ付いてたけど、いつか消えてしまいそうで … 彼を守らなくちゃいけないの」

「じゃあお前自身は誰が守るんだよ、自分で守れ自分のこと」

自分自身のことは焦凍が守ってくれると思っていた。

ずっとこの先も揺るがない事実であると確信していたけど、今になって不安になってくる。
焦凍にだっていつか彼女ができるだろうし、その彼女ができてしまったら隣に入れるのは私ではなくなる。
そんな現実を突きつけられているようだった。

「焦凍が幸せならいいの … それで」

「アホかよ、お前の人生なんだからお前の意志で生きなきゃ意味ねェだろ」

頭にぽんっと置かれた掌はゴツゴツとしていて大きくて、焦凍の掌とは違うのにどこか安心した。

「お前はあの半分野郎が好きなんか」

確信を突かれて心臓が飛び跳ねる。そんなにバレやすいだろうかとも思うが、勝己くんの感が冴えすぎているだけだ。

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