盲愛アドレセンス ⅲ (ページ22)

今日:17 hit、昨日:21 hit、合計:115,127 hit

113 : 妹だからページ22

.

家だったら学校で授業を受けている時間以外は全て一緒だったのに、寮になってしまってからは学校と鍛錬が終わればご飯も何もかもを共にできない。

「寮に泊まりに行ったりできないのかなあ … 」

そう呟いた私の小さな希望はしっかりと焦凍の耳にも通っていたようで、
「担任に聞いておこうか」と返事が来た。

焦凍からすれば、寮の話が決まったときにAが出て行ったりしたのを見た張本人が担任なのだからどうにか融通してくれるだろうという考えで、案外簡単な話なのだと思っていた。

「いいのかな、2Aの方々は … 」

「大丈夫だろ」

寮になってしまった今、焦凍も自分自身も共同で過ごしており、
私のクラスではブラコンであることが浸透してしまっているが故に今になって何かを言われることもなにもないが、
焦凍のクラスで私のことを知っているのは少人数で迷惑ではないかと思考を巡らすのも無理はなかった。

「妹なんだから」

そんな焦凍の一言に胸を痛めたのは確実で、鋭利な刃物で心臓を突かれたように息が止まる感覚を知った。

永遠に私の気持ちを封じ込める、妹なんて呪いのような言葉。

「そ … だね」

あなたの言葉に私が返せたのはその一言だけだった。

.