盲愛アドレセンス ⅲ (ページ20)

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111 : 兄弟とは思えないページ20

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「鉄哲と戦った時肉体戦なかったからわかんなかったけどやばくねこれ」

個性だけでなく、一つ一つの蹴りなどの重さが女の子と思えないぐらいに重い。

武術などの肉体戦においても抜群のセンスを誇る彼女を見て、今日の演習で彼女と当たらなくて良かったと心底思った。

彼女は頭の回転が速いから鉄哲くんの個性に肉体戦は不利だと踏んで灼熱の炎で閉じ込めただけで、僕や他の人だったら間違いなく肉体戦に持ち込まれていただろう。

体のラインや線が細いうえに、思いつかないような攻撃を仕掛ける彼女を攻略するのは無理なのだろうと見ているだけで感じてしまった。

「轟くんしんどそうやわぁ」

「 … でも轟ちゃん楽しそうね」

轟くんはなぜかうすら笑みを浮かべながらAちゃんと戦っていて、Aちゃんも笑顔で。

やはりただの兄妹でないと思い知らされる。

繰り出される炎と氷結で決着はつかないまま2人はその場に倒れ込んでしまったけど、僕たちには入れない世界すぎた。
以前お兄さんのなつさんが言っていた最高傑作とはAさんのことでエンデヴァーが求めていたものはこれだったのだと知った。

以前から抱いていた変な違和感がもやもやと浮かび上がる。あの2人が普通の兄弟にはどうしても見えないのだ。

言葉として表すのであればまるで恋人みたいな感覚。

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