盲愛アドレセンス ⅱ (ページ31)

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081 : 平和の基盤ページ31

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父親は諦めの悪い人間だ。

じゃなかったら一家巻き込んで個性婚なんてしない。人一倍強さというものに敏感で執着している。

オールマイトという平和の基盤が消え去ってしまった今、平和を作り出せるのは自分しかいないとわかっているから後にはひけないことも。

なんだかんだ言って、彼もヒーロー。

市民もなにもかも見捨てることなんてできないし、今彼が諦めてしまったら敵たちの活動は活発になる。

「 … ふざけんな」

焦凍の声は誰に向けられたものだったのだろう。

エンデヴァー？脳無？それとも市民の声？

だけどこれが平和の象徴がいない現実なのだ。それを見にひしひしと感じているのは私たちではなく紛れもなくエンデヴァーだ。

あんなに必死で戦う父親を初めて見た。

本気でオールマイトを越えようとしていた父親だからここまで動けるのだろう。誰よりも強さを追い求めていたヒーローだから。

「勝って … お父さん … ！」

「見てるぞ … ！」

ホークスの残りの羽に押し上げられた体で戦う父は世間一般から、焦凍から、家族から、どのように写っていたのだろうか。

わたしには胸を誇れるほど自慢の父親、No1ヒーローエンデヴァーだった。
右手を掲げて立つエンデヴァーに今までにないほどの歓声が鳴り響く。

「勝利の！いえ！始まりのスタンディングです！」

私の父親はどこまでも偉大だ。

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