盲愛アドレセンス ⅱ (ページ23)

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073 : 最後の我儘ページ23

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ここで駄々をこねたところでどうにもならないことぐらいわかっていた。
最終的に焦凍は必ず寮に入るし、私のこの足掻きは意味のないことも。

だけど、中学生最後の年わがままをちゃんと面と向かって言えるのもここぐらいだと思った。

あなたの優しさに触れたかった。我儘を言っても離れていかないことをちゃんと確信していたかった。

「俺もAとずっと一緒にいたい。離れたくない。… だけど俺はAを守るためにヒーローを目指すんだ。
こんなところで周りに遅れは取れない。週末と長期休暇はずっと家にいるから」

我儘な兄ちゃんを許してくれねえか、なんて泣きそうに笑うから私が泣いてしまった。

ヒーローになるという目標を私が邪魔するわけにはいかない。
心配でも、どれだけ不安でもわたしは焦凍を待ち続けなくちゃいけない。それがどれほど辛くても。

「一緒にいなくても、俺たちは1つだ」

「1日1回電話 … 約束」

「ああ」

「今より連絡もまめにすること」

「わかった」

「心配させないで」

「当たり前だ」

明後日から私たちは離れ離れで生活しなくちゃいけない。

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