盲愛アドレセンス ⅱ (ページ13)

今日:11 hit、昨日:8 hit、合計:111,055 hit

063 : 全寮制導入ページ13

.

数日後、焦凍は友人たちにもわたしに求められたにもかかわらず爆豪さんの救出に向かった。

結果としての除籍は免れたらしく、五体満足で帰ってきたのだが、問題はそこじゃない。

「ねえ、聞いてない」

「まてA … 話を … 」

「わたしとの約束は？離れないって言った」

問題はそのあと、雄英高校が全寮制を導入しようとしたことにある。

もちろん焦凍が悪くないことなんてわかってる。

雄英高校も仕方ないと判断を下していることも。
でも焦凍が即決しようとしたことに怒ってるのだ。

焦凍はわたしとずっと一緒にいると誓った。

それは紛れもない事実。
林間学校の時でさえ駄々をこねたわたしが寮について何も思わないと思わないのだろうか。

わたしはすでにこんなに寂しくて、焦凍が離れていくかもしれないという焦燥感に駆られているというのに焦凍は何も思わないのだろうか。

「もういい、知らない」

こんなにも胸が締め付けられているのは依然として私だけなのだろうか。

ぽたり、と頬を涙が伝った。

.