盲愛アドレセンス ⅱ (ページ12)

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062 : 何かしでかすページ12

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「焦凍！よかった … 」

父親に連れ帰られた兄の姿は元気はなさそうではあるが依然として形も何も変わらない兄のままで軽傷者であったことが頷けた。

わたしを見るなり少し嬉しそうな顔をするもいつものような顔ではなくて、やはり爆豪さんのことが気がかりなのだろうかと気になる。

「焦凍、怪我してないの？」

「ああ俺は大丈夫だ」

緑谷さんは重症で病院でまだ目を覚まさないと聞いた。

きっと助けられなかった後悔の念に駆られているのだろう。
本来であればそっとしておいてあげたいけど、こういう時焦凍は何か、しでかすから困る。

「焦凍、わかってると思うけど変な行動したらダメだよ」

「 … ああ」

雄英体育祭や職場体験を経て焦凍は成長してるのだと思う。冷たい氷のような目つきも少なくなり、笑う機会が増えたのは間違い無いだろう。

だからこそ仲間を、爆豪さんの救出に向けて動こうとしていることなんて一目瞭然で、止めてあげたいけど焦凍は釘刺されたぐらいでやめてしまうような奴では無いとわたしが一番知っていた。

だからここで何を言ってもダメだと思ってしまったんだ。

「病院行ってくる」

「ちょ、焦凍！」

「受験に専念しろ」

離れていく背中に私は何も言えなかった。

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