光の温度１

３７．由紀さん ページ37

左足は順調に回復していた。

戻ってからのことを考え、今まで以上にそれ以外の所も鍛え上げる。

毎日トレーナーさんが体を見てくれるって、ある意味いい機会。

必死で取り組んでいた。



そんな中、由紀さんのリハビリが終了。

今日、ドイツへ戻ることになった。



携帯も持ってきたし、後で由紀さんと写真撮ってもらおうっと。





トレーナーさんに挨拶している由紀さんを、内田さんと塩谷さんと一緒に待っていた。



あっ、終わったみたい。


「由紀さんお疲れ様でした。」

「ありがと。長かったー。」

「すごく嬉しいけど、私やっぱり寂しいです。明日からいないんですね。」

「ふふっ。Aもすぐだよ。ドイツで待ってるから、もう少しだけ頑張っておいで。」

「はい。」


また、由紀さんと一緒にサッカーすることを楽しみに、頑張ろう。


「小泉さん。リハビリも終わったし、延期していたあれができますね(笑)」

「そうです(笑)」

「あ、今の顔。由紀さん幸せそう。」

「それは当たり前(笑)Aも早く見つけな。そんな人が隣にいると、精神的に安定して、サッカーにもっともっと集中できるようになるよ。」

「はい。」


私も、内田さんを見てるだけでやる気が満ち溢れてくるもんな。

落ち込んでる時は励ましてくれて、一気に気持ち切り替わったし。

彼氏とか、旦那さんとか、最強なんだろうな。


「永嗣さんが、小泉さんも俺もドイツに戻ったら、欧州会しようって言ってました。」

「もちろん、楽しみにしてる。そういえばこの前香川君から連絡来てさ〜」





由紀さん達が盛り上がる中、塩谷さんが話しかけてきた。


「村山さん彼氏いないんだ。」

「はい。」

「よかった。ねぇ、村山さん、携帯教えてよ。」

「えっ？」

「俺結婚パーティ行けないし。って呼ばれてないけど(笑)ドイツの結婚パーティって、どんな感じか聞きたい。」

「あっ分かりました。今携帯持ってますか？」

「うん。ね、結婚式の写真も送ってよ。ＬＩＮＥしてる？」

「はい(笑)」





最後に、記念写真を撮ることに。


「せっかくだし、うっちーも入って三人でも撮ろうよ。欧州サッカーチーム(笑)」

「うす。」


わっ、思わぬところで、内田さんとの写真も撮れることに。

ご褒美貰っちゃった。


「じゃぁAも、残り少し、頑張ってね。」

「はい。しっかり治して帰ります。」




由紀さん、行っちゃった。

嬉しいけど、やっぱり寂しいって思うのは、仕方ないよね。

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