奪ってやるよ 2 ページ11
授業が終わり、カフェテラスでいつもの席に座って若武の話を聞く。
「今日は〜・・・」
気になって立花のほうを盗み見ると、変わった様子はなく、普通にノートをとっていた。
謝るべきか?いや、別に悪いことしたわけじゃないし・・・
というか、あの男、馴れ馴れしすぎじゃないか?
考え、じっと見ていると、隣に座っている小塚がくい、と服のすそを引っ張った。
「上杉、どうしたの?具合でも悪いの?」
「あ、いや・・・」
何でもない、というと小塚はそっか、と安心したように笑って若武のほうを向いた。
小塚のお陰で少し頭の整理ができた。
大体、立花が誰と笑いあってたって、俺に関係ないだろ。
フン、とモヤモヤした考えごと鼻から吐き出して若武の話を聞くことにした。
*
「アーヤ!帰ろうぜ」
若武が立花の教室に大声で呼びかけると、立花は焦った顔で鞄を持って走ってきた。
「ごめん。今日は無理」
「は?なんでだよ」
「なんでって・・・ちょっと人と会う約束してるの。」
なんとなくさっきの男が思い浮かぶ。
「もう行かないと。じゃあね」
そう言った立花の顔は少し嬉しそうだった。
「なんだよ。じゃあ帰ろうぜ」
若武がちぇ、と言いながら立花とは逆方向に帰っていく。
「・・・」
気になるわけじゃないけど、このままだとなんだかむかむかして、いらつく。
立花のことが気になるわけじゃない、男が怪しい奴なんじゃないか気になるだけ。
そう言い聞かせてそっと輪の中から抜け出した。
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ももこ(プロフ) - りさん» り さんコメントありがとうございます!最近あまりここに来ないので完結してるやつ公開しますね! (2020年6月14日 20時) (レス) id: 76860029bd (このIDを非表示/違反報告)
り(プロフ) - 短編集めとても面白かったです!ももこさんが良ければ他の作品も是非公開していただきたいです! (2020年5月14日 16時) (レス) id: c14adf3578 (このIDを非表示/違反報告)
ももこ(プロフ) - 五一ミリアさん» ありがとうございます!本当に嬉しいです……!秘密会議!は合作の話し合いの場で、未定はまだ何も書いていないんです(;_;)ハロウィンのやつ公開させてもらいますね! (2018年3月18日 20時) (レス) id: 9ec7cb08ca (このIDを非表示/違反報告)
五一ミリア - すみません『秘密会議!』と『Halloween*SweetNight』と『未定』のパスワード教えてください。 私ももこさんと作品もっと読みたいです。 (浜田組が読みたいです。) (2018年3月4日 0時) (レス) id: 60e64b8716 (このIDを非表示/違反報告)
五一ミリア - ももこさん尊敬します。私は、探偵チームKZのファンです!短編集めを今日読んだのですが…ハマってしまいももこさんの作品すべて今日一日で拝読させていただきました。私は、まだまだ未熟ものですが、ももこさんの作品は、素晴らしいものだと思います。 (2018年3月4日 0時) (レス) id: 60e64b8716 (このIDを非表示/違反報告)
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