・ ページ41
私と檜山くんは足を紐で結び、お互いの肩に手を回しながら走り出した。
遠くから深田とヴァサの大きい声が聞こえた気がする。
深田「ちょっとまって！？あれ檜山くんとAちゃんやん！」
ヴァサ「え！？まじじゃん！檜山もAもなにしてんの！？」
2人とも図体も声もでかい。もっと注目されちゃうからやめてくれ。
『今深田とヴァサの声聞こえたくない？』
檜山「俺も聞こえた。笑 あいつら声でかいなー。」
なんて会話をしながら、私たちは順調に障害物などをかわしゴールテープを切った。
すると、ゴールテープ付近にはみじゅと那須先輩の姿が。
瑞稀「お前！笑 なに敵の檜山とペア組んでんの。」
那須「お、ホントだ。よくよく見たら2人とも色違う。笑」
本当に異様な光景だよねこれ。
これってどこに点数入るんだろ。
赤？黄色？
〈えーっと...これはどっちの団の点に...〉
檜山「あ、それは赤でいいです。ね？」
『え、いいの？』
檜山「元々塩崎さんが出る競技じゃん。いいよ。」
どこまでお人好しで優しいんだ。
これは相当なものを奢らなければ天秤が釣り合わない気がする。
『ほんとーに檜山くんありがとう！！』
また檜山くんの手を握りぶんぶんと振ると、檜山くんは「なんかデジャヴだな」と笑った。
すると、足の紐があるのを忘れていた私は思いっきりよろけ倒れる姿勢となった。
その私を檜山くんがとっさに後頭部に手を回し、そのまま一緒に倒れ、檜山くんが私に覆いかぶさった光景になってしまった。
うわぁ、美形がこんな近くにあるとやっぱりドキドキしてしまう。見慣れている嶺亜とかみじゅとは違う、男らしい美形。
なーんて評論家な癖が疼いてしまったため、檜山くんが私に覆いかぶさってることを忘れじっくりその顔面を観察してしまったわけだが。
瑞稀「おい！大丈夫か？」
那須「なにしてんの、塩崎ちゃん。」
みじゅと那須先輩に助けられて、やっとの思いで起き上がり檜山くんの顔を見た。
檜山くんは顔を真っ赤に染めていて、ギラッとした目を私に向けた。
『ごめんね、檜山くん。また迷惑かけた。』
檜山「いや、全然。じゃあ俺もう行きますね。」
サーっと走って行った檜山くんの背中を眺めた。
悪いことしちゃったな。
じっくり観察してしまったから怖がらせちゃったかな。
瑞稀「...あいつ相当こじらせてんな。」
那須「だね。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 276人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゴンザレス(プロフ) - あずきさん» ありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです♡♡♡ (3月25日 22時) (
レス) id: b2056e73ae (このIDを非表示/違反報告)
あずき - めちゃくちゃ面白いです!!更新頑張ってください^.".^!♡ (3月20日 20時) (レス) @page25 id: 0b4479c19f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゴンザレス | 作成日時：2024年3月14日 8時
