Until I hear your name (ページ10)

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Waku side.

Aの結婚式が終わって、リーダーと仲間たちに流されるままに俺はキャバクラに来た。

そんな女の人と喋る機会が無いので、少しこの場は苦手だ。

でも多分、皆シケたツラした俺を見て気をつかったんだろうなって思った。

繁華街特有のギラギラとした灯りが俺たちを眩しいくらいに照らす。

店に着くと、早速リーダーに名前を呼ばれて急いで駆けつける。

目の前にはなんだかキャバ嬢とは思えないような可愛らしい人。

初対面の俺にも屈託のない笑顔で笑いかけてくれた。

普通キャバクラって綺麗なお姉さんとかが働いてるのが主流だと思ってた。

そのあと、リーダーに聞くと彼女が俺より2つも上だと知って少し驚いた。

彼女は楽しそうに口に酒を運んでは、笑顔を振りまいていた。

けど、ふとした瞬間、誰も彼女を見ていない時、

目尻が下がって一気に大人の様な顔つきになる。

なんだかその表情が、俺の意識がここに来る前に固執しているのか、

Aに少し似ている、と感じてしまった。

あいつもそういう時があった。

颯太と俺と話しているとき、少しだけそんな表情を見せる時が。

＿＿＿＿これは俺の単なる勘だけど。

もしかしてこの人も何かを抱えてるんじゃないだろうか。

Aと一緒のようなことを。