Until I hear your name (ページ8)

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『湧くん、あの新婦さんのこと好きでしょ。』

洗い物を終え、ソファーでテレビを2人で見ていた。

我ながらぶっ込んだ質問をしたと思う。

ちらっと湧くんの方を見ると、目を丸くして、上手く笑おうとしてるんだろうだけど口角があんまり上がっていない。

可哀想なことしちゃったかも。

『ごめん。ちょっと無神経なこと言った。』

湧「いや...ちょっとびっくりして。

...そーっすよ。好きでしたよ。」

あぁ、やっぱり。

またあの寂しそうな顔をした。

そんな顔するくらい、好きだったんだね。

『そっかそっか。その子、もったいないね。こんな優しい湧くん選ばないなんて。』

手を伸ばして、湧くんの頭を撫でる。

少し伸びた湧くんの前髪の隙間から、潤んだ瞳が見えて、撫でるのをやめて次は湧くんの手を引いた。

『もうこのまま寝ちゃおっか。寝たらスッキリするから。無理しなくていいよ。寝室どこ？』

湧「...こっち。」

そう言って、手を引いていたはずだった私の手は、いつの間にか手を引かれていた。

ガチャリとドアが開かれると、そこには大きめのダブルベッド。

一人暮らしにダブルベッドはなかなか珍しい。

『ダブルベッドなんだ。珍しいね。』

湧「あー、よく泊まりに来る奴がいんの。だから大きめ。」

なんだ、そういうことか。

湧「リリちゃんもここ来な？」

そう言ってポンポンと自分の寝っ転がった横を手で叩く湧くん。

お言葉に甘えて横に私も寝転がる。

フワフワのシーツで気持ちいい。

久しぶりに夢を見ずに寝れそうかも。