Until I hear your name (ページ32)

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話し声が聞こえる。

ワタ...と誰だろう。女の子の声。

目を開けると、そこにはワタと...

あ、料理を運びに来てくれた店員さんだ。

渉「お前飲みすぎて急に意識失ったと思ったら、そのまま寝たらしいよ。ほんと、心配させんなよ。」

黒「えっ、まじか。ごめんなさい。」

「あはは、全然。もう大丈夫ですか？」

黒「あ、はい。大丈夫っす。」

よかった、とはにかんで笑う彼女。可愛い。

まだ高校生...かな？

胸につけてる名札を見ると、《さおり》とひらがなで書いてあった。

綺麗な名前。

渉「光輝？もう出るぞ。明日仕事だろ？」

黒「おう。本当にありがと、ごめんね。」

「いーえっ。気をつけてくださいね。またいらして下さい。」

俺たちに手を振る彼女をあとに、店を出た。

不思議と、あれから彼女のはにかむ笑顔が頭から離れなかった。

それをワタに言ったらニヤニヤした顔で俺のことを見てきたから居心地が悪くなって、1発殴ってやった。

それから数日後、アフターをした女の子に連れてかれたのはまたこの居酒屋だった。

しかも席に案内してくれたのは彼女だった。

若干気まづさを感じた俺とは反対に、

彼女は俺の顔を見るなり、またあの時と同じような笑顔を見せた。そして、俺の横の女の子にも会釈をした。

〈さっきの人、誰？〉

黒「んー？まぁ、知り合い？」

〈さっきコウキ。私には向けないみたいな優しい顔してたよ？〉

黒「そんなことないでしょ。変な事言うなって。」

〈...そうやってすぐたぶらかすじゃん。もういい。帰る。〉

あーあ、行っちゃった。