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Waku side.
後輩と飲んでて、店を出たら彼女が知らない男と肩を組んでいた。
友達だ、ってすぐにわかった。
恋人がいるんだったら、不器用な彼女のことだし顔に出そうだし、
俺の前で泣かないだろうから。
でも、俺の足は止まらなかった。
「ごめん、俺抜けるわ。」
そう言ってあいつらとは別れて、彼女に近づき隣の男の襟を引っ張った。
そしてよろけた彼女の体を支える。
ほんと、細いな。ちゃんと食べてんのかな。
彼女は俺のことを見上げては、パチパチと目を瞬かせ、まるでありえないものを見るような顔をしていた。
まあ、そりゃそうだよな。
びっくりするよな、こんなところで。
そんな気持ちとは裏腹に、俺から出る言葉は威圧感を与えるようなものだらけ。
しかもそのあと、相手の男に正論ぶちかまされて何も言えなかったし。
でも、あの言葉には、何も言えないわけがなかった。
"本気で好きなの？こいつのこと。"
今言ってしまったら、軽い男だって思われるかもしれない。
＿＿＿＿けど、今言わなかったらいつ言う？
またそうやって勝手に諦めて、勝手に後悔すんのか？
そう思ったら、案外口から本音とは出てしまうもので。
その時の彼女の赤くなって難しそうな顔は、俺はいつまでも忘れないだろうな。
そのあと、俺に�爛灰Ε��瓩箸�かれた名刺を渡して嵐のように去っていった。
俺の好意を一方的に伝えたって、困るのは彼女だって分かってた。
上目遣いで俺の気持ちを確かめてくる彼女が、ずるい。
『私も、湧くんが、好き。』
なんていう返事が返ってくるとは思わなかったけれど。
ここまできたら俺のアクセルは止まらない。
好きだよ。
まだ会って数回だけど、絶対俺は君を求めてた。
優しくて、強くて、ちょっぴり脆い君を。
俺が改めて��名前��を聞いた。
源氏名じゃなくて、 ホントウ の。
聞いた時、彼女の不安そうな顔は一気に晴れて、
その顔を見た瞬間、
あぁ、
この子はこの質問を求めてくれる人を待ってたんだな、
って感じた。
彼女の��名前��を1音ずつ、噛み締めるように呼んだ。
ただのひらがななのに、なんでこんなにも愛おしく感じるんだろう。
それは、俺がそれだけ彼女のことを愛してるっていう証だってことを知るのは、
まだちょっと先なのかもな。
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作者名：ゴンザレス | 作成日時：2024年2月28日 21時
