Until I hear your name (ページ26)

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『湧くん、これ光輝！！腐れ縁なの！』

黒「えまって俺これ呼ばわりなの！？」

『だからやましい関係じゃないから。』

湧くんに弁解するけど、まだ眉をひそめている。

なんで私もこんな必死に弁解してるのか分かんないけど。

光輝の方をチラッと見ると、やっと状況を把握したようでニヤリとなにかを企んでいる様な笑みを浮かべた。

やばい、なんか嫌な予感がする。

そしてその予感は的中。

黒「どーも、腐れ縁の光輝でーす。」

光輝は立ち上がったかと思えば、そう言って湧くんから私を引き剥がし、私の肩を抱き始めた。

一体何を考えているのやら。

『ちょ、光輝。』黒「まあ俺に任せてよ。」

小声で言う光輝の顔はなんでかわからないけど自信ありげ。

まぁ、光輝に何か弁解する考えがあるのかな？

湧「...。」

そんな光輝の様子と反対に、黙って鋭い視線を送ってくる湧くん。

光輝はチャラチャラした口調で話し始めた。

黒「まぁ、俺？君よりこの子のこと知ってる自信あるから。ていうか、君ただのお客だよね？それ言う価値ってどこにあんの？」

湧「...俺は。」

光輝が正論をぶちかますと、湧くんは苦しそうな顔をして俯いた。

そうだよね。私たちは単なる"店員と客"。

湧くんが助けてくれようとしたとしても、そのセリフを吐く資格はないに近しいのかもしれない。

光輝、もうやめて。これ以上、苦しめないで。

私と、湧くんを。

その念を送ったけど、光輝の止まる気配はサラサラなかった。

黒「本気で好きなの？こいつのこと。」

『...えぇ！？ちょ、光輝！』

ちょっとそれはぶっ込みすぎだよ！！！

光輝の方を向き直って、軽く胸ぐらをつかむ。

けど、余裕のある色っぽい笑顔の光輝。

なんでそんな顔してられるのよ！
友達が今から傷つくんだよ！？

＿＿＿＿湧「好きだよ。」

すると、ありえない、聞くはずのない言葉が、私の背後から聞こえた。

勢いよく振り向くと、そこには耳と頬を真っ赤した湧くんが立っていた。