Until I hear your name (ページ19)

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湧「おー、おかえり。颯太もありがと。」

颯「お腹すいたぁー。何鍋？」

湧「キムチ鍋。」

颯「キムチ！わくのお手製の？」

湧「とりあえず颯太中入れって。笑リリちゃん入れないから。」

湧くんは前の時と一緒のグレーのパーカーを着ていた。

お風呂に入ったのか、さっき会った時のセットされた髪型じゃなくて、サラサラのストレートになっていた。

雰囲気が違うくて、ちょっとドキドキする。

湧「リリちゃん？」

湧くんは首を傾げて突っ立っている私を不思議そうに見つめた。

『あ、ごめん。ぼーっとしてて。』

湧「なんだそれ。笑

おかえり。」

"おかえり"。

そんな言葉いつぶりにかけられただろうか。

ここに来た時以来、いや、ずっと前だった気がする。

微笑んでそう言ってくれた湧くんが、いつも以上にキラキラして見える。

湧「...リリちゃん？え、どうしたどうした。」

いつの間にか私の視界はぼやけてて、頬を涙が次々と伝っていく。泣きたいわけじゃないのに、どんどん涙が落ちていく。

やだ。また湧くんを困らせちゃう。

早く泣き止まないと。お願い、止まって。

拭っても拭ってもこぼれ落ちてくる。

すると、体全体があったかい温度に包まれた。

気づけば湧くんに抱きしめられていて、柔軟剤の匂いが至近距離でした。

湧「今日は疲れたよなぁ。よく頑張った。」

私は湧くんの優しい声に縋り付くように泣いて、颯太くんもあんまりに私たちが来ないから戻ってきた。

颯太くんも湧くんから少し今日の出来事を聞いていたらしく、ゆっくり私の頭を撫でてくれた。

なんでこんなにも、2人に甘えられるんだろう。