Until I hear your name (ページ17)

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浮かれていたのもつかの間、店長が私に手招きをしているので湧くんに謝りつつ、席を立った。

店「色恋営業はほどほどにしないとこういう風になるから。アフターでもほどほどにしといてね？」

『はーい...。迷惑かけてすみません。』

店「まあ、あーいうこと稀にあるから。ほんと気をつけてね。あのお客さんいなかったら死んでたでしょ。お礼言っときなさいよ。あと、あの客ブラックリストに突っ込んどいたから。」

いつも手際のいい店長に感心する。
店の利益と効率しか考えてないんだろうけど。

『湧くんっ、ごめんおまたせ。』

湧「怒られちゃった？笑」

『うん。さっきは本当にありがとう。怪我してない？』

湧「してないしてない。それより首、跡残ってんな。」

指で私の少し青くなった首の部分をなぞる湧くん。

なんだか恥ずかしくなって、顔を背けお酒を口に運んだ。

『大丈夫。日が経ったら治るし！』

元気に言ってみるけど、湧くんの心配した表情は変わらない。
そんな心配しなくていいのになぁ。

湧「今日、アフターできる？うちで鍋しない？」

アフターで鍋に誘われたのは初めてだったので、思わず笑ってしまった。

『日回ってからするの？笑今日私ラストまでだから遅くなっちゃうかも。』

湧「いいよ、明日休みだし。」

優しく微笑みかけてくれる湧くん。

ドキドキなるこの胸は、一体どういう感情なんだろう。

その後湧くんは数回お酒を頼んだ後、お会計をして帰って行った。

しかもそのお酒、結構高い。

もしかして高いお酒を入れてくれるためにお仕事頑張ってくれてるのかな、なんて都合のいいことを考えた。

＿＿＿＿そしてお会計の後、湧くんから紙を渡された。

湧「店出たらこの番号に電話して。1人で夜道は危ないから。」

書かれた番号は湧くんのではなく、見知らぬ番号。

一体誰のものなんだろう。