お友達の湧くん ページ37
やっと今日の全部の講義が終わった。
横で頬杖をつきながら、寝ている湧を起こす。
『わく、わく。終わったよ。』
「ん、まじ？ノートとった？」
『うん。見せたげるから、ご飯奢って。』
こういうやり取りももう慣れた。
湧とはサークルが一緒で、講義がよく被るので、いつの間にかこんな仲になっていた。
たまにわたしも寝てしまう時があるが、その時は湧が絶対起きてくれている。
それなら毎度起きててくれればいいのに、と湧に言うと、「まあまあ」なんて流された。
「今日車だけど、乗ってく？」
『いいの？』
「いーですよー。」
湧の車に乗り込むと、いつもの湧の香水の匂いが漂う。
嫌いじゃない、むしろ好きで落ち着く匂い。
「ん、どした？」
『え、あ、ううん。出発してください。』
バレていないといいけど、わたしは湧が好きだ。
じゃないと、綺麗にノートを書いたりなんてしない。
ほんとは、湧が頼ってくれるのが嬉しいの。
「うおっ！！！」
窓から移り変わる景色を見ていると、車は急ブレーキし、湧が真っ先に手でわたしの体を押さえてくれた。
「ごめん！！！大丈夫かA？」
『びっくりしたぁ。』
「怖かったよな。ほんと、ごめん。」
焦ったような彼が横にいて、お腹らへんには彼の骨ばった手がある。
なんだか、とても愛おしくて、ぎゅっ、と手を繋いでしまった。
「やっぱり怖かったよな。ごめんな。」
『ううん。もう大丈夫だよ。』
「ほんと？じゃあー今日は俺の家で鍋でもするか？」
『またお鍋？笑』
「この時期は何回でも食べたくなんの！」
そう言いながら、わたしの手を握り返してくれるんだね。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 244人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゴンザレス(プロフ) - 優花さん» 感想とリクエスト、ありがとうございます。参考にさせていただきます。 (1月31日 18時) (
レス) id: b2056e73ae (このIDを非表示/違反報告)
優花(プロフ) - いつもキュンキュンしながらお話見てます🥺🩷リクエストなのですが年下彼氏の檜山くんを見たいな〜って思ってました…！！ (1月31日 10時) (レス) id: 72465717e7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゴンザレス | 作成日時：2023年12月23日 22時
