心の埋め合わせ【無印】 (ページ4)

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偽りの身体【吹雪アツヤ】ページ4

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『吹雪君…久しぶり。元気にしてた…？』

ﾋﾟｯﾋﾟｯﾋﾟｯと規則正しく聞こえる機器の音。

吹雪「っ、おう。お前こそ、何時(いつ)までもそんなとこでへばってんじゃねぇよ。」

病床から見上げる吹雪君の身体はどこか震えているようにも見える。

吹雪「未だ治んねぇのか。お前の…」

『治らないみたい。ごめんね。吹雪君。でも、私、テレビで見ていたよ！吹雪君がゴール決める姿！やっぱり、吹雪君じゃなきゃあんなゴール蹴れないよ』

吹雪君のエターナルブリーザードはとても格好良かった。宇宙人にも負けないくらいに。

吹雪「そっ、そうかよ…。」

吹雪君は少し顔を赤らめていた。

『やっぱり、アツヤ君だよ。その目は』

私の目の前にはアツヤ君が居る。間違いない。あの熊殺しのアツヤが居る。

吹雪「A…。お前、本気で言ってんのか。」

『で、でもアツヤ君なんでしょう…？その喋り方にその瞳は…』

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吹雪「この身体は兄貴のなんだよっ！！いい加減気づけ…この鈍感野郎」

すると、ぎゅっと力強く抱きしめてくるアツヤ君。私には理解出来なかった。

士郎君の身体…？

けど、アツヤ君は目の前にいる＿＿

吹雪「以前のお前なら、そんなこと…言わなかった。どうしちまったんだよ…」

あれ、目の前にいるのは本当にアツヤ君なの…？

でも、よく見れば士郎君の身体で＿＿

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吹雪「オレは、今はこうやって、兄貴の身体を借りなきゃお前には会えねぇんだ…。」

更に力を込めるアツヤ君。だけど、込める手は震えている。身体もだった。

吹雪「あの日、お前に伝えられなかったことがある。」

アツヤ君は更に続けてこう言った。

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吹雪「お前のこと、まだ諦めきれねぇ。やっぱ、好きなんだよ。兄貴には、譲りたくねぇんだ。」

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今、この瞬間だけでも＿＿

抱きしめていたい＿＿＿＿

吹雪士郎としてではなく＿＿

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吹雪アツヤとして。