36話目 ページ38
.
くるりと俺に背を向けて肩を震わせている有岡。伊野ちゃんの言葉を聞き、更に泣き出してしまったことを隠そうとしてるみたいだけどバレバレ。
こんなにも不安にさせちゃってたんだなあ。
悪いことしたなあ。
でも、こんなに大泣きするほど心配してくれていたんだなあ。
申し訳ない気持ちと嬉しい気持ちが半々になる。
そんな気持ちを表情に出さないよう、必死にポーカーフェイスを作っていたら、
「ごめんなさい、そろそろ俺ら戻りますね。迷惑かけちゃってるんで……」
「いやいやいーのよ！！またおいで！！」
「手越先輩風に話してるけど俺の方が先輩だからな！！」
伊野ちゃんが有岡を気遣って楽屋を去ろうとした。軽く手越と楽しそうに話をしながら。
置いてけぼりな有岡に、今度は俺が話しかける。
「有岡、今度ご飯奢るから一緒に行こ。
その時にまた改めて、お礼するな」
「……ッ、はい……！！」
俺の言葉に、有岡はくるりと振り返る。
頑張って隠してた顔は、涙でぐちゃぐちゃになっていた。
そんな有岡の顔をハンカチで軽く拭き、「ありがとうございます、失礼します」とそのまま去っていった。
「……有岡、本当にいい子だな」
静かに閉じられた楽屋の扉を眺める俺。
そんな俺に向かってシゲがそう呟いた。
俺は扉から視線を逸らさず、その体制のまま「うん」と小さく返事をした。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 135人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
沙猫(プロフ) - ごはん たたさん» うごでもココでもありがとうございます〜!!大好きすぎるだなんて本当に嬉しいです(；_；)(；_；)ありがとうございます！！！ (2017年4月26日 7時) (
レス) id: 84b997b22b (このIDを非表示/違反報告)
ごはん たた(プロフ) - うごで喋った(?)やつです← このお話大好きすぎます !!これからも頑張って下さい !応援してます! (2017年4月25日 19時) (レス) id: abe2a7a0a0 (このIDを非表示/違反報告)
沙猫(プロフ) - あおいさん» コメントありがとうございます!!ぼっちつらいですよね、共に頑張りましょう‥‥!!() (2017年4月9日 16時) (レス) id: 84b997b22b (このIDを非表示/違反報告)
あおい - 初めまして、いつもお話読んでいます。JKになったんですね。私もJKになって、ぼっち状態です…これからもお話楽しみにしてます。 (2017年4月8日 18時) (レス) id: 714fec5d74 (このIDを非表示/違反報告)
沙猫(プロフ) - Kikiさん» ありがとうございます!!体に気をつけます、、() (2017年3月15日 0時) (レス) id: 84b997b22b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：沙猫 | 作成日時：2017年3月5日 10時
