両片オモイ【すとぷり】

12話目 ページ13

はぁ…こういうのが怖かったんだよ…

少し気持ち悪いと思ってしまった。

私はトレイの近くでしゃがみこむ


「見つけた」

ひえっ

「なんで逃げたの？」


なんで追いかけてくるのぉ…


『トイレが。その、はい』

私は立ち上がってトイレに逃げ込もうとする

が

大野くんは私の手首を引っ張り、トイレにはいるのを阻止し
壁に私を押しつけ

『いっ…』

そして、片方は私の腕、片方は壁に手をつく


「場違いって気づいてんだろ？」

…

「こっちは誰にも相手されなくて可哀想だから、仕方なく相手してやってんだよ。｣


誰も頼んでないんですけど

大野くんの私を掴む力が大きくなる

『い、痛いです』

「俺、B専だから顔だけなら結構好きだわ｣

はい？

大野くんは自分の顔を私に近ずける

は、まって、は？！


私は下を向いて阻止しようとする

が、壁ドンの手を顎クイの手に切り替え、
私の顔は前を向く

あ、これ、終わったヤツ

あーあ、こうやって私のファーストキスは無くなるんだ…





こ「2人で抜け出しちゃって、やっらしー」

そなの時聞きなれた声がした

「ころんくんに関係ないっしょー」

こ「うーん、ないっちゃ無いけどあるっちゃあるんだなぁ」

「なに、ころんくんB専なの？」

それは私をブスだと遠回しに言ってきている

こ「まぁそーなんだけど、その子を傷つけられるとこっわーいお兄さんが現れるよ」

こっわーいお兄さんってお兄ちゃん？

「そんな脅し怖くねーよ。ほんとこんなブスのぺったんの何がいいわけ」

あの。大野くん…腕の血が、血がとまっております…

こ「それ以上言うと僕怒るよ？」

ころんくんは大野くんの腕を握る
いや、もう怒ってんじゃん

「ちょ、いた」

こ「そのこから離れろ」

今まで聞いてきた声でいちばん低い声

「ひっ…｣

大野くんは慌てて私から手を離す

「お前みたいなブスは合コンくんじゃねー、場違い女！｣

最後の捨て台詞はさすがに私の精神を抉った

…

『ころんくん、ありがとう…』

ころんくんは私の腕を見る

こ「僕がもっと早く来とけば…ごめん」

私の腕は、長く血がとめられていたため手の形と爪の後がついていた

『助けてくれただけで、嬉しいよ。ありがとう』

あ、だめだ。
安心して泣きそう。

私は涙を隠すために上を向く

こ「怖かったよね」

ころんくんは私を抱きしめた。

その時の声はすごく優しい声だった。

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