両片オモイ【すとぷり】

1話目 ページ2

『は、はじめまして』


緊張で声が裏返る


さ「はじめまして〜」

り「はじめましてっ！」

こ「はじめまして」

これは、ど、どーゆー状況？！






遡ること1時間前…





私は、最近人気急上昇中の歌手


すとぷり


にハマっている


メンバーはみんな、私と同い年や１つ上くらい

一人一人個性があって

みんないい声をしている。



その中でも私は莉犬くん推しだ


ぴょんぴょん跳ねている赤い髪に

紫と黄色のオッドアイ

そして、
可愛いけれど芯のある声に一目惚れだった




『莉犬くんに、死ぬまでに一回は会いたいよ。』


あ「じぇるぅとと同じ高校な時点で、私たちは今世紀の運を使い果たしたんだよ」


『うん、それは思う。でも会いたいいい』



いつもと同じく小学校の頃からの親友、彩乃に願望を話しながら

家に帰宅し

普通におこげ(コーギー)と遊んでいた




ガチャ



お兄ちゃんが帰ってきた




兄「A、友達呼ぶけど大丈夫？」



いや、もうここまで連れてきてるんだから

ダメって言ってもいれるんだろ？



『いいよ、私おこげ連れて部屋行く』


兄「ここにいたら？」



そんなのいやに決まってる



すると、お兄ちゃんの後ろから

高身長と、低めの男の子たちが出てきた



逃げ遅れた…


「おじゃましまーす」

「おじゃまします！」

「おじゃましまーーす」





が、その姿を見て、私は目が飛び出そうになる


莉犬くん！？！？！

それにさとみくんところんくん…



『ふゅえ？！』


すごい声が出てしまった


兄「あれ、友達だって言ったなかった？」



お兄ちゃんと同じ学校とは聞いていた


が、家に連れてくるほど仲がいいなんて聞いてないぞ！？



『言ってない！』


り「妹？」


本物の莉犬くんだ…

私は何度も目をこすって確かめる



兄「そそ、かわいいっしょ」


さ「祐也に似なくてよかったね笑」



この声は、思いっきりさとみくんだ。


こ「まぁまぁいい家だな」


なんでこの人はこんなに上からなんだよ笑


兄「そういやA、莉犬推しなんだって」


それ言っちゃうの？！


私はとっさにおこげで顔を隠す



り「そーなの？！」


『…はい』


こ「うわ、まじで」


なんでいやそうなの。


『じゃ、あの、ごゆっくり！』




私は逃げるようにリビングから出た。




ころちゃんのテレビとキャラが違いすぎて…


オフだから仕方ないけど。



と思いながら部屋に戻る

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