29…放課後 ページ29
放課後
私は校門の前でソワソワしながら待っていた。
吹部が各教室で演奏してる音や運動部が声出ししてる声が聞こえてくる時間帯。
聞こえてくる音の中に唯の演奏してる音あるのかなぁ。
帰宅部だから用が無ければ学校を後にするから部活動の音なんかあんまり気にしたこと無かったけど、思いの外賑やかなんだ。
HR終わる時間は伝えたからもう少しで司さん来るかな。
「Aちゃん」
「あ、司さん」
振り返ればちょうど今来たのかそこには制服姿？の司さんがいた。
「待たせて悪いな」
「全然です、私も今来たところなんで」
「なら良かった。……その格好」
「変です？」
司さんと合うのはあの時と、神社の時と、この前と、今日で4回目になる。
神社で偶然あった時も制服ではあったけど見られると不思議な感じがする。
そりゃ不良の妹がお嬢様学校の制服着てるんだもん、不思議だよな……。
「いや……似合ってる」
「ありがとうございます」
「じゃあ行こうぜ」
差し出された手に恐る恐る伸ばすと、少し強引に掴まれて歩き出す。
手を繋いで歩くのは2回目だけど、一緒に歩くことも、手を繋ぐこともあの日っきりだからドキドキしちゃう。
「……どうかしたか？」
「いえ……」
私が緊張してることなんてお見通しなんだ。
私よりも大きい掌に包んでくれるような安心感がある。
ゆっくり歩いてくれているのが嬉しい。
「……そういえばあの子は？佐智雄の妹」
「唯？唯なら部活ですよ。来月吹部の演奏会があるらしくって」
「へぇ。Aちゃんは部活やってないの？」
「やってないですよ」
軽音部とか陸上部とかに勧誘されたことは何度かあったけど自分からはやりたいと思ったことはない。
それに待ってる間、もし部活やってたら司さんと一緒にいる時間が減っちゃうのかなとか嫌だなって思ったりしちゃったし。
司さんだって私以外にも楓士雄さんや鬼邪高の人達と過ごしたり喧嘩したりとかあるだろうし。
こんなこと考えても仕方無いんだけどさ。
「司さんは中学の時とか部活やってました？」
「俺？何もしてねぇよ」
「ゆる〜くバスケ部とかテニス部とか、幽霊部員みたいな感じでやってそうだなって」
「それやってるって言わなくね？」
「肩書きだけ持ってる、みたいなイメージでした」
見た目的にもそういうのがぴったりくる気がする。
だけど司さんは小さく笑って否定する。
なんて事ない会話で胸を弾ませちゃう私がいた。
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ポウ(プロフ) - 面白くて、何度も何度も見返しちゃいました！続き待ってます！ (1月15日 16時) (
レス) id: 4b00597d9c (このIDを非表示/違反報告)
和娘米(プロフ) - まやさん» コメントありがとうございます！いずれ完結させたいと思っているので、気長にお待ちいただけたら嬉しいです！感想もありがとうございます！ (2023年2月3日 13時) (レス) id: 9f59f27616 (このIDを非表示/違反報告)
まや(プロフ) - 更新はしますか？楽しみにしています(*^^*) (2023年2月3日 1時) (レス) id: 507db5b736 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：和娘米 | 作成日時：2022年11月28日 22時
