25…誤解 ページ25
司side
「は？え…いや、俺いつAちゃんの事可愛げ無いっつった？」
「昔ココで帰り際に、司さん、言ってました………。誰が可愛げ無い女に泣きつくか、って……」
昔この公園で、帰り際……。
まさかあの時…！？
「そりゃそうですよね…。あの泰志の妹だし…、実際可愛さの欠けらも無いような事言ったし……」
「ちょ、待って！誤解！」
ブランコに腰掛けたまま俯いて沈んでいくAちゃんの前にしゃがみんで腕を掴む。
こんな展開になるなんて思ってなかったから混乱してたけど、このまま誤解されたままじゃ困る。
「俺、あの時Aちゃんの事が気になってて、でも喧嘩ばっかの何も知らねぇ様なガキが素直になれるわけねぇだろ？」
「……え？」
潤んだ瞳をパチクリさせて、驚いたようにこっちを見た。
「めちゃくちゃ誤解させてたなんて知らねぇし、ずっと引き摺ってるなんて思わなかったし…。あん時はなんも考えねぇで言っちゃっただけだから……！！」
「そ、それって……つまり……、あの頃から……、その……」
「何度も言わすなよ。俺、あの時からAちゃんの事好きなんだって」
掴んでいた腕を離すと今度はAちゃんの方からぎゅっと袖を握ってきた。
あの泰志とは違う、傷の無い小さな手が震えてるのが伝わってきて、それがまた愛しくて仕方がない。
でもまだ不安げな表情をする彼女を見て、ガキの時よりも意地悪いことを思いついてしまった。
「そういや、Aちゃんはどうなんだ？」
「どう、って……」
「俺は好きって言ったけど、そっちからはまだ言われてねぇなー」
今の俺はだいぶ悪い顔してんだろうって自覚はある。
でも、やっぱり聴きたくて仕方なかった。
ブランコに腰掛けるAちゃんの前にしゃがんで、左の袖を掴まれたまま、掴んでない反対の手で涙を拭うAちゃんを見守りながらその言葉を待ち続ける。
「……、き………で…。つか、さんのこと………すき…、で……す…」
俺のせいで可愛くないと思い込んでたAちゃんの、小さく、震えるような、可愛い告白。
胸の所が暖かくなる感じがして、気付いた時には既に立ち上がって右腕を後頭部に回してたし、柄にもなく頬を包み込んだ頭部に寄せていた。
俺自身、こんな事するような奴じゃないって分かってるけど、こればっかりはどうしようもねぇ。
好きなもんは好きだし。
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ポウ(プロフ) - 面白くて、何度も何度も見返しちゃいました！続き待ってます！ (1月15日 16時) (
レス) id: 4b00597d9c (このIDを非表示/違反報告)
和娘米(プロフ) - まやさん» コメントありがとうございます！いずれ完結させたいと思っているので、気長にお待ちいただけたら嬉しいです！感想もありがとうございます！ (2023年2月3日 13時) (レス) id: 9f59f27616 (このIDを非表示/違反報告)
まや(プロフ) - 更新はしますか？楽しみにしています(*^^*) (2023年2月3日 1時) (レス) id: 507db5b736 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：和娘米 | 作成日時：2022年11月28日 22時
