19…奢り ページ19
「いーや、俺の奢りで」
「はぁ？！」
「泰志の妹だから特別サービス」
「いやいやいやいや、そういう問題じゃ無いです！」
これが絆創膏1つ分とかなら折れたかもしれないけど、救急箱の中身ほぼ全部の量だから流石に折れる訳にはいかない。
「気にすんなって。俺の金なんだし」
「司さんのだからこそ気にするんです！」
「頑固だなお前」
「当然です」
お互い折れることなく、気づけば注文してたものが届いた。
その日のオーナーの気分で変わるらしい日替わりケーキ。
テーブルの上に置かれたのはしっとり濃厚なガトーショコラ。
「美味しそう…！」
「ガトーショコラとオレンジって合うのか…？」
「柑橘系とチョコって相性結構良いんですよ」
「へー詳しいんだな」
「テレビかなんかでやってました」
フォークを手に取って、まずは一口。
ほろ苦いチョコレートの味が口に広がって、思わず頬が落ちそうになるほど美味しかった。
「うっま……」
「だろ？」
「こんな美味しいケーキ食べれる所あったんですね」
「俺が見つけたんだけどな」
「私、好きです」
「…本当か？」
「はい。落ち着いた雰囲気で過ごしやすいですね、このお店」
「あぁ……この店ね。気に入ってんだ」
「なんだか分かります」
それから私は、運ばれてきたケーキを食べながら会話を続けた。
ケーキが残り2〜3口くらいの時に司さんが立ち上がった。
「わりぃ、ちょいとべ……トイレ行ってくるわ」
「いってらっしゃいです」
便所って言いかけたんだろうな。
そのまま言ってもよかったのに。
少し見送って残りのケーキを食べようとフォークに手を伸ばした時に、テーブルの隅に置かれている伝票が目に止まった。
そういえば、ドラストの奢り云々問題まだ解決してないよなぁ…。
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ポウ(プロフ) - 面白くて、何度も何度も見返しちゃいました！続き待ってます！ (1月15日 16時) (
レス) id: 4b00597d9c (このIDを非表示/違反報告)
和娘米(プロフ) - まやさん» コメントありがとうございます！いずれ完結させたいと思っているので、気長にお待ちいただけたら嬉しいです！感想もありがとうございます！ (2023年2月3日 13時) (レス) id: 9f59f27616 (このIDを非表示/違反報告)
まや(プロフ) - 更新はしますか？楽しみにしています(*^^*) (2023年2月3日 1時) (レス) id: 507db5b736 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：和娘米 | 作成日時：2022年11月28日 22時
