18…兄貴 ページ18
「確かに泰志は喧嘩の事しか頭に無い脳筋だけど、まあ、生まれた時からそばに居ますし、喧嘩するから怪我するからって理由で嫌いにはならないですね」
「そっか……」
「はい。むしろ泰志は、口の悪さはああですけど私のこと大切にしてくれてますし、いざという時は頼りになりますよ」
ガキの頃は悪口言ってくるいじめっ子達をぶっ飛ばしたり、落ち込んでる時はかける言葉が分からないなりにそばに居てくれたり。
私にとって泰志は、誰よりも頼れるカッコイイ兄貴。昔から今もずっと。
「………＿＿＿」
「えっ？」
「それよりなんか頼むか。ここのパフェとかケーキ評判良いんだ。甘いのとかいける口？」
「甘いの基本なんでも好きです、けど…。あの、さっき」
「ならオススメにするか。すいませーん」
なんて言ってるのか聞こえなくて聞き返したのに、まるで何も言ってませんみたいな態度で話をすり替えられた。
喫茶店に入ってるから何かしら注文はしなきゃ行けないから間違ってはいないけど。
「はい、ご注文お伺いいたします」
「アイスコーヒー1つと、この日替わりケーキ1つ。…飲み物いる？」
「あー……オレンジで」
「アイスコーヒーおひとつ、本日の日替わりケーキおひとつ、オレンジジュースおひとつで。以上でよろしいですか？」
「大丈夫です」
「かしこまりました。ごゆっくりどうぞ」
それにしてもさっき、一瞬だけ見えた表情はなんだろう。
どこか寂しげで、悲しさを孕んでいるような、そんな顔。
一体何を考えてあんな顔をしたのか、私には理解できなかった。
………あ、そう言えば思い出した。
「司さん、さっきのドラストのレシート」
「ん？レシート？」
「後でレシート見せてくださいねって言ったじゃないですか」
「あ〜そういやそうだったな」
「お金返さないとなんですから、見せてください」
「わかったって。今出すから」
そう言うと司さんは財布を取り出して、中を覗く。
私も何円くらいだったかなと予想しながら財布を取り出すが、一向にレシートが出てこない。
「あー、レシートねぇわ」
「は？」
「さっきの店員そういや渡してこなかったな」
「は！？」
いやいやいやいや！
それじゃお金返せないじゃん！！
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ポウ(プロフ) - 面白くて、何度も何度も見返しちゃいました！続き待ってます！ (1月15日 16時) (
レス) id: 4b00597d9c (このIDを非表示/違反報告)
和娘米(プロフ) - まやさん» コメントありがとうございます！いずれ完結させたいと思っているので、気長にお待ちいただけたら嬉しいです！感想もありがとうございます！ (2023年2月3日 13時) (レス) id: 9f59f27616 (このIDを非表示/違反報告)
まや(プロフ) - 更新はしますか？楽しみにしています(*^^*) (2023年2月3日 1時) (レス) id: 507db5b736 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：和娘米 | 作成日時：2022年11月28日 22時
