◇ ″君の虜． (ページ6)

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“ ﾀﾞｲｲﾁｲﾝｼｮｳ ” ページ6

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◆Your side

ぐるぐると思考を巡らせていると、

藤『Aちゃん、暫くの間だけでいいから、北山に付いて貰えない？』

あの人、北山さんっていうんだ…

両手を合わせ、必死にお願いしてくる藤ヶ谷さん……

でも、私……
今日が初めての接客なのに、常連客の方に付くとか、レベルが高過ぎて、、

そう思ったけど、他に手の空いてるスタッフはいないし…… 。

「分かりました、
でも、沢山頼っちゃうかもですけど…… 。」

藤『助かるよ、本当ありがと。』

そして、渋々北山さんの元へ。

．

「本日はお来し下さり、誠に有難う御座います。」

北『アンタ、表情硬過ぎ。』

…………………… え、？

北『突っ立ってないで座れば？』

「あ、……失礼します、」

何この人…… 、すごい話しづらいんだけど、、

北『アンタ、名前は？』

「立花Aっていいます…」

『じゃあ、Aな。
A、カクテル持って来い。』

……はぁぁぁ！？何様ですか、貴方は…！！

「……かしこまりました、」

怒りを堪えながら、カクテルを男性の元へ運ぶ。

男性の隣に腰掛けようとした時、
バランスを崩し、カクテルを男性にぶちまけてしまった… 。

北『っ、……』

あぁー、！！本当ごめんなさい…!!

さっきまで、この男性に怒っていたことなど忘れ、慌ててタオルを用意し男性のシャツやスーツを拭き始める。

「本当、すみません……」

ひたすら謝りながら、男性の服を拭いていると、

北『ふっ… 、アンタ見てて飽きないわ、』

私を見て、大笑いしてる男性。

……あれ？怒って…ない……？

北『もういいから、』

そう言われ、手に持っていたタオルを取り上げられる。

「いや、でもシミになっちゃうので……」

手を伸ばし、タオルを取り返したと思ったら、そのままタオルをグッと引っ張られた。

その反動で、私の体は男性の方へ倒れ……

ガシッと体を抑えられた。

「あ、ごめんなさ… 」

北『俺、アンタのこと気に入った、』

言葉を遮るようにそう言われたけど…… 、

えぇ…… 、どういうこと？