Don’t let me fall in love! (Ar×In) (ページ10)

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「いのちゃん、」

だいちゃんがシャワーを浴びにいって、おれがスマホをいじってるとき。

ふいに聞こえたおれの名前に振り向くと、酔ったせいで揺らいで見える大ちゃんがいた。

「だいじょぶ？家、帰れる？」

「んん、だいじょぶ……」

だけどもうちょっと休ませて。

襲ってくる眠気を掻き分けて言葉を放つと、だいちゃんは心配そうにこちらに手を伸ばした。

「ほんと？泊まってく？」

「っ、手、つめた……」

質問には答えず、触れた手の冷たさに思わず身をよじると、だいちゃんが首をかしげた。

「暑くて、シャワーの温度下げたからかな？そんなに冷たい？」

「ん……きもちい、」

本能的に、だいちゃんの手に頬をすりよせると、触れた冷たさが酔いを覚ましてくれるみたいだった。

それと反対に、だいちゃんの体は強張る。

「いのちゃん、からだ火照ってんの？」

「っひぁ、やだ、」

首もとに当てられた手がいやに冷たくて、もう一度、思わず身をよじる。

お酒を飲みすぎたせいか、おれの体感温度が相当高くなっていたらしい。

「じゃあ、俺が冷ましてあげる。」

「ふぇ、」

冷たい親指が頬を撫でて、それとは全く違った熱量の多い瞳と目が合う。

なぜだろう。
ぞくぞくするような、男っぽい瞳に胸がきゅんと音をたてた。