Don’t let me fall in love! (Ar×In) (ページ38)

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「たっだいまー！」

ばーん、と部屋のドアを開けただいちゃんに続き、部屋の中へ上がった。

だいちゃんのお家の香り、好きなんだよね、おれ。

「いのちゃん、座って座って！」

自分が座ったソファの隣をばしばし叩くだいちゃん。そこに座ると、ぎゅーっと抱き締められた。

嬉しさと共に、ここにいるのは本当におれでいいのか、不安になった。

「……このかちゃんは、いいの？」

「ん、あぁ、説明しなきゃね。」

優しく体を離して、だいちゃんがスマホを手に取った。

「夏祭り、俺、いのちゃんにキスしたでしょ？」

「ん、……うん、」

「あれがね、このかに見られてて。……ってか写真撮られてて。」

それがまたいいアングルで、ばっちり撮られてんのー！と見せられた写真。

……確かに、綺麗に画面に収まってる。

「……もしかして、これで脅されてた……？」

「うん。だっていのちゃん、『誰かに見られたら絶交だ！』って嫌がってたでしょ？」

「……っもう、ばか！あほ！」

「っえぇ、なんで怒られてんの！？」

文句をいいながらもだいちゃんは、そっとおれを抱き締めてくれた。

「……ごめんね、ありがとう。」

「ふふ、どーいたしまして。」

きっとだいちゃんは、ばかで、あほで、

でも、誰よりもおれのことを考えてくれる人。

「……いのちゃん、おやすみ。」

ゆらゆらと漂う意識のなかで、だいちゃんの声だけがはっきりと聞こえた。