Don’t let me fall in love! (Ar×In) (ページ35)

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山田行きつけの居酒屋に連れてきてもらった。昼間からずっと居座ってて、もう６時ぐらい？

「ったくも～、めんどくせーんだよあいつぅ、」

完全に酔っぱらいになったが机に突っ伏しながら愚痴っている。
めんどくさいからガンガン酒を飲ませて、寝落ちするのを待っている。

「あいつって？」

「あ？ありおかだよありおか！」

「だいちゃん？」

山田はこくこく頷いて、ビールを煽った。

「ちねんのこと教えるかわりに、いのーちゃんのこと教えて、家まで送ってやれって言われてね？ちねんのこと出されたら断れないじゃんかー！」

「へ、？」

だいちゃんが？

だいちゃんがおれのことを教えろって？それに、山田が家まで送ってくれたのはだいちゃんの言いつけだったの？

「いのーちゃんには近づけねーから、おまえが変なやつとかから守れって。」

「な、なにそれ……」

「あーっ、ちねんにあいたーい！」

がこんっと机に頭を乗せたまま動かなくなった山田。

どうしよう、どうしよう、変に胸がドキドキしてる。

小さく震える指先で、スマホに文字を打ち込んだ。

慧：いまから会える？

慧：あいたい、です。

久しぶりに開いたトーク画面。
既読になるのは早かった。

大貴：おっけ、なんかあった？

慧：話したいことが、あって

大貴：りょーかい、迎えいく。

大貴：今どこ？

店の場所を送ると、すぐ行くね、とスタンプ付きで返ってきた。

こんな普通のやりとりだけで泣きそうになってるおれって……

「山田は……ごめん、置いてくね。」

少し湿った目元を拭って、お金を置いてから居酒屋を出た。