Don’t let me fall in love! (Ar×In) (ページ23)

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「なにって、……わかんない。」

「わかんないって、……いのちゃんが言ったんじゃん。」

無我夢中で歩いたせいで、そこは人気のない寂れた神社の境内だった。

今更、自分が危険な状況下にあることに気づく。

「でも、わかんないんだってば、」

「わかんないじゃ困る。」

「なんで、」

「俺がいのちゃんを好きだから。」

ぐっと引き寄せられた二の腕。
体が反応する前に、おれとだいちゃんの唇は触れ合っていた。

「んっ、………ふっぁ…、」

だめだ、力が入んない。

ばかみたいに甘いキスは、ちゅ、と最後に軽く触れるキスで終わった。

「ば……っか、じゃないの！」

「へ？なにが？」

「ここ、お祭り！人いっぱいいるのに、誰かに見られたら……！」

そういって睨み付けると、かわいいねなんて悪趣味な言葉が聞こえて、頭を叩いてやった。

「次、人いるところでこんなことやったら、絶交だから！もう、最悪……」

「ごめんって。今度から気を付けるから、ね？」

でもさ、と反省の様子が見られない様子でだいちゃんは続ける。

「人に見られるのは嫌でも、俺とキスするのはいいの？」

「～っ、ばかばかばかばか！そんなわけないじゃん！」

ばしっと、おれがだいちゃんを叩く小気味のいい音が響く。

でも、そんな音は気にならないぐらいに、おれの胸はどくどくと鳴っていた。