夢ひとつ、恋ひとつ 【青】【短編】

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Aside

こ｢覚えてないの？ずっと追いかけてくれたじゃん｣

なんのこと

意地はってるわけじゃないし、そもそもなんの事かわかんない。

『何言ってるの？ころんくん』

こ｢僕の方の記憶もなくなっちゃうなんて聞いてなかったのに、Aがもし出会っちゃった時はどうしてでも思い出させようと思ってたのに｣

『だから、何言ってるのかわかんない』

こ｢大丈夫だよ、僕が助ける｣

まさに、自分に問いかけるような口調には違和感しか無かった。

でも、私をぎゅっと抱き締めて離さないくらいなのは、自分に問いかけてるようではなかった

こ｢ははっ…こうしてたらまた、消えちゃいそう｣

顔は見えないけど悲しそうで抱き締め返していいのか不安だった

私が“消えちゃいそう”って言ってたけど、ころんくんは壊れそうだった、

こ｢高校の卒業式終わった後かな…？あの時こうやって抱き締めた後に記憶無くなっちゃうなんて｣

わからない、わからないけど

こ｢修旅で行ったディズ〇ーも、お互い友達と楽しんでたけど、パレードと花火だけは一緒に見て、お泊まりしたところ、ちょっと抜け出して遊んじゃって。ほんとに楽しかったなぁ

それに、ここら辺のカフェでAが飲んでた甘ったるいコーヒー零しちゃって服が台無しになったのも覚えてるw｣

『...ころんくんと付き合った時のキスがファーストキスで、すごく恥ずかしかったけど嬉しかった...っ』

こ｢そんな事もあったねぇ...って、A、？思い出したのっ！？｣

『よく分かんないけど、ころんくんが好きなんだ...わたし、記憶がない間もころんくんのこと好きだったけど 結局、結ばれる運命なの？』

恋ってこれなんだ

愛ってこうやって生まれるんだ

こ｢A！すきっ！｣

『私も...！』

神様なんて居ない、なんてこと言う人いるけど、じゃないと“あのリング”は現れない。

いつ通ったのかはわからない
　 ￣￣￣￣
だから記憶が消えた時もわからない

でも、神様は結局私たちを引き寄せたんだね

あの時の夢は、過去の出来事。そして今の出来事。

大切なことを示してくれた夢と、ころんくんに大好きを。

こ｢行こ？｣

差し出された手を握り返したのは、

もう一生離れないという決意の表れ＿＿＿＿



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夢ひとつ、恋ひとつ 【END】

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