それは美しき旋律 【identity V】

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side Musician

ジョゼフさん達と話をして居れば、先程の…謝必安さんにとても良く似た人に話しかけられた。
彼は”范無咎”と名乗った。

最初は何だか怖くて、目を見て話す…なんて出来ると思わなかったけど…話してみるととても気さくで優しい人だった。
謝必安さんとは2人で1人…つまり一体二魂という訳だ。

『僕、兄弟が居ないものだから…憧れるな、そう言うの』

何時も通りの笑みを浮かべ、自身の気持ちの内を告げれば范無咎さんは何を思ったのか僕の頭を撫でて来た。撫でられるなんて、幼い頃以来だ…少しの気恥しさと嬉しさで顔に熱が集まってくるのが分かる。

「何時でも頼れ、兄弟にもだぞ？」

くしゃりと目尻を細め、優しげな笑みを零しながら未だ頭を撫で続けている范無咎さん。彼の言う”兄弟”は謝必安さんの事だろう。…本当にここの人達は僕を嬉しくさせる…

『ありがとう。…何かあったら頼らせて貰うね？』
「嗚呼、待っている」

…、范無咎さんを怖いと思ってしまった最初の自分を殴りたい…本当は…とても優しい人だ。
見た目で人を判断するとは…自分も未だ未だ未熟だ、と反省だ。
なんて、そうこうして居るうちに僕らの目の前には豪華な食事が並べられた。初めて美智子さんやジョゼフさん、ジャックさんに謝必安さんと出会った食堂は…沢山の人で溢れていた。

ピエロの様な格好をした人、鹿…？の人にタコの様に足が沢山生えている人。
…この人達と仲良くなれるのだろうか、と緊張したが…今は何だか楽しみの方が勝っているのだ。

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ラッキーカラー

あずきいろ

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