それは美しき旋律 【identity V】

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side Musician

手を振り地下へと降りて行く傭兵(ナワーブ)くんを見送れば、自身もこの場所から出るべく歩き出す。ここはどうやら…病院…？の様だ。中央に大きな建物がある。

ここでチェイスするのは大変そうだなぁ…なんて考えていれば、出ても良い合図なのかグラリと視界が揺れた。ゆっくりと目を閉じれば、試合(ゲーム)開始時と同じ様な少しの浮遊感と、風の音がした。
漸く静かになったかと思えば、ガヤガヤと人の声が聴こえる。その中の幾つかは聴いた事のある声だ。

『…戻りましたよ、？』

そっと声を掛ければ、一斉に視線を向けられる。美智子さんと…ジャックさん、ジョゼフさんの姿を見付けたのだが、謝必安さんの姿は見えない…その代わりに謝必安さんによく似た…それこそ洋服や髪の色が違う人が居る。

「おかえり〜、遅かったなぁ…、」

ふんわりと笑みを浮かべ声を掛けてくれた美智子さんが、少しばかり眉を下げ心配そうに首を傾げる。遅かった…、ナワーブくんと話をしていた、なんて言ったら怒られてしまうだろうか…

「傭兵と話をしていたんだろう？」

全てを見透かした様に…その綺麗な青い瞳を輝かせながら口角を上げ問い掛けてくるジョゼフさんに驚きながらも頷けば"やっぱり"とでも言いたげに笑みを零す。
どうしてか、と首を傾げていれば今度はジャックさんが

「モニターがあるんだよ。試合(ゲーム)を見ることが出来るね、」

と答えてくれた。先に答えられてしまったジョゼフさんはジャックさんの後ろで何やら不服そうに顔を顰めていた。
…やはりここの人達は面白いなァ…

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ラッキーカラー

あずきいろ

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