それは美しき旋律 【identity V】

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side Musician

最初は好奇心からだった。
人の話を聴く、なんていつぶりだろう。


『へぇー、グルカナイフは人を傷付けない…ね、』

ナワーブくんの言葉をわざと復唱すれば、案の定彼は顔を軽く赤くし

「復唱しなくて良い！」

と返してくる。
人を揶揄(からか)うのはやはり楽しい、そんな意味も含めケラケラと笑っていればナワーブくんからの視線に気付く。

『何かあった？』

彼の言いたいことは何となくだが察している。
”自身も質問をしたい”だの”俺だけは不公平だ”なんて所だろう。
にんまりと口元に弧を描けば、ナワーブくんは気味が悪い…とでも言いたげに顔を顰める

「…お前のこと、教えろよ」

ずいっと顔を近付けられれば、こちらも余裕は無くなるものだ。
自身の眉が下がって行くことを感じながらも苦笑を零す

『何が知りたいの？』

取り敢えず、と苦笑から笑みに変えるように口角を上げればこちらに余裕が無くなったことに気付いたナワーブくんがニヤニヤと笑っている。

「そうだな…、お前の剣について…だな」

…、彼はグルカナイフの仕返しでもしたいのだろうか…僕は大してこの剣に思い入れがある訳じゃ無いし、物語(エピソード)がある訳でも無い。

『この剣は特に何も無いよ、…強いて言うなら…剣よりは腕の方が大事、かな？』

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ラッキーカラー

あずきいろ

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