冒険の傷痕:16 ページ18
「あ、あの、二人とも歩くの早くない?…ちょっと、休みたいんだけど…」
カミュのおかげで迷わずに済んでいるのは助かるのだが、いかんせん二人とも歩く速度が早い。
イレブンはずんずん進んで行ってしまうし、相変わらず私の手を引いているカミュもそれに着いていこうと足を早めるものだから、私は半分引き摺られて歩く羽目になっている。
なんでこの人達は、呼吸を荒らげることなく進んで行けるんだ。ついでに言えば魔物との戦闘も何回か挟んでいるというのに。
「そうだね、じゃあ休めるところ探そうか」
けろりとイレブンは笑う。…なんだこの謎の敗北感。
「いや、正直今すぐ休みたい…」
「ごめんね、あ、ほらあそこにキャンプ地あるしさ」
「キャンプ場か。まだイシの村までまだかかるしちょうどいいんじゃないか」
「…イシの村?神殿に行くんじゃ無かったの?」
「あぁ…神殿に行く途中にイレブンの故郷があるらしいからな。寄っていきたいんだと」
「…なるほど」
ほら、着いたよ、とイレブンに声を掛けられ、焚き火の近くにある丸太に覆い被さるように座った。
「疲れたぁ…」
「ごめんね、あまり休まないで進んじゃって」
「いいよ、ついて行くって言ったのは私だし」
それに一応逃げてるんだからね私達。それも大王国から。そういうとイレブンは苦笑した。
「まぁそうだけど、女の子に無理はさせられないでしょ」
「とことんお人好しだな…」
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千織(プロフ) - チロル/CHIROLさん» チロルさん、初めまして!有難いコメント、とても嬉しいです…!これからも精進していくので、見守って頂けたらと思います! (2018年11月3日 7時) (レス) id: 43a89afe6e (このIDを非表示/違反報告)
チロル/CHIROL - はじめまして!ドラクエファンなので、ドラクエの夢小説を書く人がいるのか!と驚き拝見させていただきました!掴みにくい世界感を表現されていて千織さんはすごいと思いました!これからもがんばってください! (2018年11月2日 22時) (レス) id: f7aec74604 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:千織 | 作成日時:2018年10月29日 20時